※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
ロイター通信やオリンピック専門サイト「inside the games」が報じたところによると、昨年の世界選手権(カザフスタン)の女子68kg級で銀メダルを獲得したジェニー・フランソン(スウェーデン)は、今年2月に暫定的にドーピング違反に問われたが、再検査の結果、違反が確定。2024年1月27日まで4年間の出場停止処分を受けることになった。
フランソンは今年1月、スウェーデンのアンチドーピング機構による抜き打ち検査で、禁止薬物のメチルテストステロンに陽性反応を示した。
同選手は、誤って摂取されたものだと主張し、スウェーデンのアンチドーピング機構は世界アンチドーピング機構(WADA)の定めた手順を踏んでいない、としてスポーツ仲裁裁判所(CAS)へ訴えることを明言している。却下された場合、東京オリンピックへの出場はなくなる。
スウェーデン・オリンピック委員会は「意図的、過失にかかわらず、ドーピング違反は認められない。違反しないことは選手の責任」とし、スウェーデン・レスリング協会は2月に同選手をナショナルチームから外したことを明らかにしていた。
2008・12年のオリンピックに出場した同選手は、2012年世界選手権72kg級で優勝し、2016年リオデジャネイロ・オリンピックでは69kg級で銅メダルを獲得。昨年の世界選手権で銀メダルを取り、オリンピック出場枠を手にしていた。
CASへの訴えが却下された場合、世界選手権でのドーピング違反ではないので、その順位に変動はないが、オリンピック出場枠は剥奪される。世界選手権7位だったオボルデュデュ・ブレッシング(ナイジェリア)が繰り上がってオリンピック出場枠を獲得するか、他の方法で出場選手を選ぶかは不明。
同級は土性沙羅(東新住建)が世界選手権で5位に入賞し、国内の闘いを経てオリンピック代表に内定してる。