※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
前回、オリンピック日本代表選手の年少記録とともに年長記録をお届けした(クリック)。初出場選手に限っての年齢でも、日本でレスリングが行われる前の1928年アムステルダム大会に派遣された柔道家の新免伊助の「38歳9ヶ月7日」が最年長となるが、1996年アトランタ大会に出場した三宅靖志の「32歳4ヶ月24日」が日本レスリング界の実質的な最年長と言えよう。
高校時代に柔道選手だった三宅は、東海大に進んでからレスリングを始め、8度目の出場となった1993年全日本選手権を「29歳9ヶ月27日」で初制覇。これは史上3位の遅咲き記録。1994・95年に連続で世界選手権に出場して実力をつけ、国内とアジアの予選を勝ち抜いてオリンピック出場を手にした。
女子では、2012年ロンドン大会に出場した小原日登美の「31歳7ヶ月4日」が初出場の最年長記録。見事に金メダルを獲得した。小原を超える遅咲きチャンピオンは生まれるか。男子の初出場初優勝の最年長は、1968年メキシコ大会の金子正明で「28歳3ヶ月9日」だ。
1984年ロサンゼルス大会では、長島偉之が「31歳2ヶ月13日」で、江藤正基が「30歳4ヶ月6日」で、ともに決勝に進んだが、惜しくも銀メダルに終わった。
上位20人のうち、9人が自衛隊の選手。「輝き切れなかった逸材」を、レスリングに専念できる環境下で時間をかけて磨いた結果と言えよう。
初出場オリンピアンの年長選手は下記の通り(その階級の1回戦が行われた日の年齢)。
No. | 選 手 名 | 年 齢 | 大会年 | 階 級 |
1 | 新免 伊助 | 38歳9ヶ月7日 | 1928年 | 男子フリースタイル66kg級 |
2 | 三宅 靖志 | 32歳4ヶ月24日 | 1996年 | 男子グレコローマン68kg級 |
3 | 藤田 芳弘 | 32歳3ヶ月20日 | 1984年 | 男子グレコローマン100kg級 |
4 | 小原日登美 | 31歳7ヶ月4日 | 2012年 | 女 子 48kg級 |
5 | 長島 偉之 | 31歳2ヶ月13日 | 1984年 | 男子フリースタイル82kg級 |
6 | 元木 康年 | 30歳9ヶ月1日 | 2000年 | 男子グレコローマン63kg級 |
7 | 江藤 正基 | 30歳5ヶ月6日 | 1984年 | 男子グレコローマン57kg級 |
8 | 藤村 義 | 30歳4ヶ月10日 | 2012年 | 男子グレコローマン66kg級 |
9 | 加瀬 清 | 29歳7ヶ月0日 | 1932年 | 男子グレコローマン61kg級 |
10 | 菅 芳松 | 29歳6ヶ月18日 | 1976年 | 男子グレコローマン57kg級 |
11 | 内藤 克俊 | 29歳4ヶ月11日 | 1924年 | 男子グレコローマン62kg級 |
12 | 西見 健吉 | 29歳2ヶ月23日 | 1996年 | 男子グレコローマン57kg級 |
13 | 井上 智裕 | 29歳0ヶ月30日 | 2016年 | 男子グレコローマン66kg級 |
14 | 小谷 澄之 | 28歳11ヶ月29日 | 1932年 | 男子フリースタイル79kg級 |
15 | 中浦 章 | 28歳11ヶ月13日 | 1964年 | 男子グレコローマン97kg級 |
16 | 森 巧 | 28歳9ヶ月21日 | 1992年 | 男子グレコローマン68kg級 |
17 | 笹山 秀雄 | 28歳6ヶ月23日 | 1996年 | 男子フリースタイル52kg級 |
18 | 秋山 安成 | 28歳4ヶ月9日 | 1976年 | 男子グレコローマン100kg級 |
19 | 金子 正明 | 28歳3ヶ月9日 | 1968年 | 男子フリースタイル63kg級 |
20 | 栄 和人 | 28歳3ヶ月8日 | 1988年 | 男子フリースタイル62kg級 |