※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
※シード選手は、最終エントリーによって変わる場合があります。
昨年の世界王者デービッド・テーラー(米国)は5月の負傷が響いて不出場。代わって出てくるパット・ドウニー(米国)は、今年1月の「デーブ・シュルツ国際大会」(米国)優勝の実績はあるが、国際舞台のキャリアは少ない。
優勝候補としては、昨年2位で欧州選手権3位のファティ・アーディン(トルコ)、2016年リオデジャネイロ・オリンピック74kg級優勝で昨年3位のハッサン・ヤズダニ・チャラティ(イラン)などが上げられよう。
アーディンは欧州選手権3位、欧州大会5位、「ジオルコウスキ国際大会」(ポーランド)3位と優勝に恵まれない。ヤズダニはこの階級の2017年世界王者。昨年はテーラーに負けての3位(テーラーには通算2戦2敗)。今年は3月の「ダン・コロフ-ニコラ・ペトロフ国際大会」で圧勝優勝した。“天敵”のいない今年はどうか。
ロシアからは、昨年5位で今年の欧州大会優勝のダウレン・クルガリエフと思われたが、昨年のU23世界選手権2位のアルトゥール・ナイフォノフが出てくる。ロシア選手権で優勝し、今年8月の「ジオルコウスキ国際大会」(ポーランド)でクルガリエフを上回っての優勝が決め手となった。“未知の強豪”と言えよう。
昨年3位のタイムラス・フレエフ・ナスキデアバ(スペイン=元ロシア)は今年の欧州大会8位など、その後は今ひとつの成績。昨年79kg級3位で、階級を上げて今年の欧州選手権3位、欧州大会2位のアリ・シャバノフ(ベラルーシ)の方が上位進出の可能性が高いか。2016年までロシア国籍だったボリス・マコエフ(スロバキア)が第2シードになっている。こちらも要注意だろう。
米国から国籍を変えて昨年のアジア大会2位に入ったドメニク・マイケル・アボウナダール(レバノン)は、その後は振るわず。アジアからは、今年のアジア選手権3位で7月の「ヤシャ・ドク国際大会」(トルコ)で2位に入ったディーパック・プニア(インド)、ロシアから国籍を変えて4月のアジア選手権2位になったアリガジ・ガミガジエフ(キルギス)らが、どこまでやるか。
この階級初出場の高谷惣亮(ALSOK)は、3月のワールドカップでファティ・アーディン(前述)を破っている。トップレベルに位置していることは間違いない。
2018年世界選手権成績 | 2019年世界選手権 シード選手 |
1. Taylor, David Morris(米国) 2. Erdin, Fatih(トルコ) 3. Yazdani Charati, Hassan(イラン) 〃 Friev Naskideava, Taimuraz(スペイン) 5. Kim, Gwan-Uk(韓国) 〃 Kurugliev, Dauren(ロシア) 7. Heino, Ville(フィンランド) 8. Makoev, Boris(スロバキア) |
1. Erdin, Fatih(トルコ) 2. Makoev, Boris(スロバキア) 3. Yazdani Charati, Hassan(イラン) 4. Deepak, Punia(インド) |
2018年アジア大会 | 2019年アジア選手権 |
1. Yazdani Charati, Hassan(イラン) 2. Abou Nader, Domenic Michael(レバノン) 3. Davlumbaev, Adilet(カザフスタン) 〃 Orgodol, Uitumen(モンゴル) |
1. Ghasempour, Kamran Ghorban(イラン) 2. Gamigadzhiev, Aligadzhi(キルギス) 3. Punia, Deepak(インド) 4. Ganbaatar, Gankhuyag(モンゴル) |
2019年欧州選手権 | 2019年欧州大会 |
1. Valiev, Vladislav(ロシア) 2. Ianulov, Piotr(モルドバ) 3. Erdin, Fatih(トルコ) 〃 Shabanov, Ali(ベラルーシ) |
1. Kurugliev, Dauren(ロシア) 2. Shabanov, Ali(ベラルーシ) 3. Dudarov, Ahmed Ruslanovich(ドイツ) 〃 Amin, Myley Nazem(サンマリノ) |
2019年パンアメリカン選手権 | 2019年パンアメリカン大会 |
1. Taylor, David Morris(米国) 2. Ceballos Fuentes, Pedro Francisco(ベネズエラ) 3. Moore, Alexander Robert(カナダ) 〃 Hernandez Luis, Lazaro Daniel(キューバ) |
1. Torreblanca Queralta, Yurieski(キューバ) 2. Ceballos Fuentes, Pedro Francisco(ベネズエラ) 3. Izquierdo Mendez, Carlos Arturo(コロンビア) 〃 Downey, James Patrick(米国) |