【2019年世界選手権・展望（7）】世界王者返り咲きを目指すジャン・ベレニュク（ウクライナ）…男子グレコローマン87kg級

※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。

※シード選手は、最終エントリーによって変わる場合があります。

世界一返り咲き先を目指すジャン・ベレニュク（ウクライナ）

　昨年の世界選手権優勝のメテハム・バサール（トルコ）は、今年の欧州選手権、欧州大会とも不調。2015年85kg級世界王者で昨年2位のジャン・ベレニュク（ウクライナ）が欧州の２大会を制しており、第1シードに上がった。こちらが優勝候補の筆頭と言えよう。

　昨年の世界選手権は不調だったビクトル・ロエリンツ（ハンガリー）は、３つのランキング大会で優勝を重ねて第3シードへ浮上。欧州大会も3位だった。その欧州大会でロエリンツを3－0で破って2位になった世界５位のイスラム・アッバソフ（アゼルバイジャン）も優勝を狙う実力はあるだろう。

　ロシアは、ロシア選手権82kg級の覇者のアレクサンダー・コマロフが8月のドイツ・グランプリに階級を上げて挑んで優勝し、代表となった。2016年リオデジャネイロ・オリンピック85kg級優勝のダビット・チャクベターゼ、昨年世界5位のベカン・オズドエフらを退けての出場だけに、あなどれない存在となろう。

　80kg級で2017年世界2位のラディク・クリエフ（ベラルーシ）は、今年7月の「オレグ・カワラエフ国際大会」（ベラルーシ）優勝と階級アップをこなした。上位進出あるか。

　イランは、2018年のアジア選手権とアジア大会、2019年アジア選手権とアジアを勝ち続けているホセイン・アーメド・ヌリではなく、8月の「トビリシ国際大会」（ジョージア）優勝のラミン・タヘリサルタンが出てくる。アジア王者に代わって出てくる選手の実力は？

　2018年アジア選手権2位など国際舞台で結果を出しつつある角雅人（自衛隊）が、どこまで上位に食い込めるか。