【2019年世界選手権・展望（2）】5度目の世界一を目指すアデライン・グレイ（米国）…女子76kg級

※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。

※9月1日現在、シード選手以外にエントリーは発表されていません。下記は予想に基づきます。シード選手は、最終エントリーによって変わる場合があります。

5度目の世界一を目指すアデライン・グレイ（米国）

　昨年、負傷による手術から復帰してパンアメリカン選手権と世界選手権を制したアデライン・グレイ（米国）は、今年もパンアメリカン選手権を制し、強さを見せている。5度目の世界一なるか。

　昨年3位だった2016年リオデジャネイロ・オリンピック75kg級優勝のエリカ・ウィーブ（カナダ）は、国内の代表争いで72kg級世界チャンピオンのジャスティナ・シスタシオを退けた。2月から７月の国際大会で勝ち続ける一方、パンアメリカン選手権ではアデライン・グレイにテクニカルフォールで敗れて3位、今月の「ポーランド女子オープン」でエカテリナ・ブキナ（ロシア）に敗れて5位と、安定感は今ひとつ。

　ロシアは、手術によるブランクを経て今年2月に復帰した2012年ロンドン・オリンピック72kg級優勝のナタリア・ボロビエワ（ロシア）の出場が予想される。6月の欧州大会は5位に終わったが、「ポーランド女子オープン」で優勝。どこまで調子を戻しているか。

　2017年75kg級優勝で昨年2位のヤセミン・アダー（トルコ）は、今年4月の欧州選手権で2年連続優勝と、欧州ナンバーワンの実力をアピール。ただ、7月の「ヤシャ・ドク国際大会」（トルコ）はエリカ・ウィーブに2－6で敗れた。

　中国代表は、昨年のアジア選手権＆アジア大会優勝のジョウ・チエン（周倩）か、昨年11位ながらU23世界選手権を制し、今年のアジア選手権で勝ったパリハ・パリハが出てこよう。どちらが出ても、優勝争いに加わる実力はある。

　69kg級時代の2014年に世界チャンピオンになるなどした後、2018年からこの階級で闘っているアライン・フォッケン（ドイツ）は昨年8位で、今年の欧州選手権は3位。2016年リオデジャネイロ大会75kg級5位で今年の欧州大会優勝のバシリサ・マルザリウク（ベラルーシ）らとともに、どこまで上位に食い込めるか。

　2017年75kg級を含めて２年連続で3位だった皆川博恵（クリナップ）は、中国選手に分が悪いのが現実。この壁を乗り越え、3位以上の成績を目指す。