※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
(2019年6月15日、東京・駒沢体育館/取材=布施鋼治、斉藤葵)
高橋侑希(ALSOK)
■男子フリースタイル57㎏級優勝・高橋侑希(ALSOK=決勝で山口海輝を下し、通算5度目の優勝で世界選手権の代表に内定)「最近で一番うれしい。4年前、ミスしてしまってリオデジャネイロ・オリンピックに出られなかった。悔しさ、もどかしさ、後悔…。全部ひっくるめた思いを4年間持ち続けていました。気持ちに迷いや揺れがあって、接戦だったり、厳しい闘いの中で負けてしまうこともあった。今回は自分の攻撃力が最後の最後に出た。応援してくださる方々の力が本当に力になって最後のオフェンス力につながったんだと思います。
試合が近くなると、『もっと、こうすればいいんじゃないか』という不安が頭をもたげてくる。それでも思い切ってできたのは、毎日思い切った練習をしてきたおかげです」
奥井眞生(自衛隊)
■男子フリースタイル74kg級優勝・奥井眞生(自衛隊=準決勝で王者・藤波勇飛を破っての優勝。プレーオフで世界選手権代表権獲得を目指す)「うれしいです。その一言です。とにかく最初から攻めていくことを課題にしていて、最後までそれが出せました。去年、同郷の三輪(優翔)選手に負けて、すごく悔しくて、びっくりするくらい泣いたんですけど、今回リベンジして、優勝という形で終われたのでよかったです。
しっかりプレーオフにつなげたいと思います。藤波選手はあんなもんじゃないと思う。次はもっと強くなってやってくると分かってるので、それに対抗するというより、上回るくらいの準備をしっかりしていきたいと思います」
■男子グレコローマン67kg級・高橋昭五(警視庁=同門の下山田培を破って世界選手権代表に内定) 「うれしいという気持ちがくるかなと思ったんですけど、ホッとした気持ちでした。今年の世界選手権はオリンピックがかかった特別な大会。このままだとメダルは取れないと思うので、もっともっと練習しなきゃいけないなと実感しました。
カウンターの技で点が入ってラッキーでした。下山田選手に勝つために練習も徹底してやってきたので、よかったです。世界選手権までの日が短いので、しっかり追い込んで、絶対にメダルを取れるような生活と練習を心がけていきたいと思います。(その先は)もちろん東京オリンピックに出場して、メダルを取るという強い気持ちがあります」
■男子グレコローマン130kg級優勝・園田新(ALSOK=圧倒的な強さで6連覇達成、世界選手権の代表に内定) 「勝てて、ひとつクリアかなと思います。今回は半年間海外で遠征してきて、相手が海外の選手と比べると小さい選手が多いので、やりにくいこともありましたけど、自分なりに工夫して、相手の下に入ってプレッシャーをかけるというのを心がけてできました。
勝つのは当たり前なんですが、優勝というのはやっぱりうれしい。試合前はいろんなことを考えて不安になることもありました。それでも気持ちの整理をして闘えたかなと思います。世界選手権は1度も勝ててないので、まず1勝をあげたい。世界選手権も全力で頑張ります」
■女子62㎏級優勝 川井友香子(至学館大=決勝で後輩の稲垣柚香を撃破。2年連続優勝で世界選手権代表に内定)「内容はどうであれ、優勝してこの大会を終えることができたので、本当によかったです。相手(稲垣)はいつも同じ場所で練習している後輩だったので、お互いやることも分かっている。いつも圧勝できるわけではないけど、試合でしっかり勝つことができてよかったです。
喜ぶのは今日まで。明日からは『世界選手権で東京オリンピックの代表を勝ち取る』という気持ちに切り換えます。今日ダメなところを振り返りながら、明日から頑張ろうと思います。(姉の)梨紗子があっての自分。梨紗子がいるからこそ気持ちを強くしてマットに上がることができる。明日(16日)は自分が全力で梨紗子をサポートしたいと思います」