2018.12.10

「須﨑は防御の選手と思った」…世界選手権決勝で敗れたマリア・スタドニク(アゼルバイジャン)

※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。

 10月の世界選手権(ハンガリー)で、アゼルバイジャンの女子選手として同国から最も優勝を期待されていたマリア・スタドニクが、同国協会のホームページで世界選手権を振り返った。

 スタドニクはいつもと同じように高地トレーニングで体をつくり、大会の直前にはウクライナで同国チームと合同練習して世界選手権へ臨んだ。1週間前に病気(詳細は不明)になり、万全のコンディションではなかったが、準決勝までは自分の力を出せたとのこと。

世界選手権決勝で須﨑優衣(早大)と闘うマリア・スタドニク(アゼルバイジャン)

 しかし、須﨑優衣(早大)との決勝は4分49秒、0-10で敗れた。この試合では「いくつかの失敗をしてしまい、勝利を逃した」と振り返った。須﨑とは2月のクリッパン女子国際大会(スウェーデン)で対戦し、須﨑にアクティブタイムを2度科したにもかかわらず、ラスト8秒に場外に出されて逆転負けしていた。「その試合では、須﨑はさほど攻撃的ではなかった。むしろ、防御の選手」との印象があり、世界選手権では最初から仕掛けることをしなかったという。

 「もし、私が最初から攻撃を仕掛けていっていれば、勝つことができたと思います」とコメントする一方、「須﨑の技術は私のミスの上をいくものでした」と、その強さを認めている。「負けたことは大きな痛手ですが、今は冷静に自分のミスを分析しています」と話し、コーチからは「目標はオリンピック。それまでの大会は、オリンピックで勝つための準備だ」と言われているという。

 現在30歳のスタドニクは、2007年にウクライナから国籍を変え、2009年世界選手権48kg級で優勝。欧州選手権・大会で8度優勝し、オリンピックは2008年から銅、銀、銀の3個のメダルを獲得。2007年世界選手権で7位だった以外、40回の国際大会でメダルを取っている。