※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
(取材・撮影=矢吹建夫)
クロアチア・ザグレブで行われている世界カデット選手権に出場した男子フリースタイル・チームが7月7日早朝、航空会社のトラブルにより、予定より17時間遅れて羽田空港に帰国した。
優勝はなかったが、2選手が銀メダルを取り、1選手が銅メダル、国別対抗得点は昨年と同じく5位。文田敏郎監督(山梨・韮崎工高教)は「わずかな差です。ビックポイントやラストポイントの差という惜しい負けがあった。そこを勝ち抜くことが、今後学ぶべきことです」と選手の健闘を評価。タックルに入るのはうまいが、「入ったあとの処理がうまくできなくてポイントにつなげられない」と、課題を掲げた。
また、外国選手は最後まで粘って、そこから反撃してくるなど日本人では考えられないような闘いをしてくるという。「ラスト20秒を切って、もう勝ったかな、と思った時点で、日本選手があまりやらないようなガツンと組んで腕を決め、捨て身の技で勝負してくるんです。で、それにかかってしまって」と外国選手の勝利への執念を評価し、それらへの対応の必要性も口にした。
帰途は、ザグレブからのフライトで航空会社にオーバーブッキング(過剰予約)があり、全員が乗れなくなるアクシデントが発生した。言葉がうまく通じない中、帯同していた現地語の堪能な協会職員が駆けつけてくれ、別便で出発。フランクフルトからの乗り継ぎには間に合わず、予定通りの帰国とはならなかったが、「(通訳のいる)この体制にしていただいたことに感謝したい」と振り返った。
■51 kg級銀メダル・高橋海大(JOCエリートアカデミー/東京・稲付中)「中学3年生で初めての国際大会。緊張したところもあったんですけど、自分の得意技であるタックルを活かした試合ができたのはうれしい。決勝のアメリカ戦では、そのタックルを返されてフォールで負けてしまった。タックルの処理とかをもっとうまくして、来年の世界カデット選手権では優勝できるようにしていきたいです」
■55kg級銀メダル・藤田颯 (埼玉・花咲徳栄高)「2位という結果でうれしいけれど、 やっぱり1位になれなくて悔しい。今回はヨーロッパ・チャンピオンもパンアメリカン・チャンピオンもいなくて、 いつもよりはレベルは高くないと思った。この悔しさを忘れずに、(出られることになれば)ユース・オリンピックで優勝できるように頑張りたいです」
■71 kg 級銅メダル・諏訪間新之亮(佐賀・鳥栖工高)「初めての国際大会でメダル取れたことはうれしいですけど、勝てる試合で自分の戦略ミスで負けたことが悔やまれます。その相手が優勝して、本当に悔しかったです。反省点と課題とか見つかったので、次につなげたい。このあとインターハイと国体とかあります、あと1ヶ月もないんですけど、いかに変われるかで優勝できるかどうかがかかってくると思いますので、そこに向けて頑張っていきたいと思います」