※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
4月7日(土)~8日(日)に米国・アイオワで行われる男子フリースタイルのワールドカップに出場する代表チームが4月4日、成田空港発の日本航空で出発した。階級が10階級に増えたことと、7階級で2選手をエントリーし、過去の同大会で例のない総勢17選手の遠征。大会後は今年の全米選手権で3連覇を果たしたペンシルベニア州立大で練習し、16日に帰国する(JOCジュニアオリンピックカップに出場する65kg級の乙黒拓斗のみ10日に帰国)。
井上謙二・男子フリースタイル強化委員長(自衛隊)は「17人もの選手を派遣していただいたことに感謝したい」と協会と強化本部の尽力に感謝するとともに、「どの選手も減量はうまくいっている。東京オリンピックに向けていい経験をさせて帰国したい」と、期待にこたえるべく表情を引き締めた。
当初の予定から、同組の予定だったイランと反対ブロックのロシアが不出場となった。今年1月にはイランへ遠征しており、そこで吸収したものをぶつけるはずだったが、ちょっぴり残念なことへ。選手には落胆の様子があるとのことで、「1試合減るのでは?」といった心配の声も挙がっていたという。
同委員長は「数多く闘いたい、という気持ちの表れでしょう」と、選手の闘争心に満足そう。幸い、代替国がインドとモンゴルに決まり、日本と同じ組にはインドが入ることになった。控え選手にも出場の機会を与えることができそうで、「この冬の練習の総決算の結果と内容を出したい。(イラン不在になり)3位以内を目指したい」と話した。
79kg級の高谷惣亮主将(ALSOK)は「世界で闘えるメンバーがそろったチームだと思います。メダルを取ったら何年ぶりになりますか?(注=1985年以来)メダル獲得を目指したい」ときっぱり。「イランと闘いたかったというのが本音ですが、いなくてもベストを尽くしたい。いないことをチャンスと考え、上位を目指していきたい」と言う。
どの選手も学生リーグ戦では主役をとっていた選手で、団体戦では流れが重要ということは承知済み。高谷主将は「軽量級で勝つのが大事だけど、できなくとも中量級が頑張る、ということが必要。軽中量級が頑張れば重量級も頑張れる。チーム一丸となって闘ってきたい」と話した。
副将を務める57kg級の高橋侑希(ALSOK)は「順位がひとつでも上にいけるよう、チームをひとつにしたい。そのためにはトップバッターの自分が勝つことが必須。勝って、あとの階級につなげたい」と、先陣を切る自分の役割を十分に自覚している。米国戦は、昨年8月の世界選手権(フランス)の決勝で闘ったトーマス・ギルマンとの再戦になる予定。「今度はアウェーの状態になりますね。でも、それも経験。自分のレスリングを出すだけです」と言う。
国際試合は世界選手権以来約7ヶ月半ぶりとなるが、「全日本選手権で闘っているので試合勘は大丈夫。当日計量も経験していて、しかも(今大会は)2kgオーバー計量なので問題はない」。ナチュラルウエートに近い状態で闘えるので、「今後のための練習、くらいのつもりで闘います」との余裕を見せた。
大会日程と日本選手団は下記の通り。日本は米国、ジョージア、インドと同組で、B組はキューバ、アゼルバイジャン、カザフスタン、モンゴル。
《大会日程》=日本時間
4月8日(日)午前1時15分 A組予選1回戦・ジョージア戦
午前4時 開会式
午前4時30分 A組予選2回戦・米国戦
4月9日(月)午前1時15分 A組予選3回戦・インド戦
午前2時30分 5・6位決定戦/7・8位決定戦
午前4時15分 3位決定戦
午前6時 優勝決定戦
【監督】井上謙二(自衛隊)、【コーチ】小平清貴(警視庁)、前田翔吾(日本協会アシスタントコーチ/クリナップ)、米満達弘(自衛隊)
【ドクター】矢野雄一郎、【トレーナー】太田暁央(自衛隊)
【帯同審判】篠原正樹(静岡・吉原工高教)、本田原明(自衛隊)
※所属は大会時
▼57kg級 高橋侑希(ALSOK)
▼61kg級 小栁和也(自衛隊)
〃 中村倫也(博報堂DYスポーツ)
▼65kg級 高谷大地(自衛隊)
〃 乙黒拓斗(山梨学院大)
▼70kg級 乙黒圭祐(山梨学院大)
〃 木下貴輪(クリナップ)
▼74kg級 藤波勇飛(山梨学院大)
〃 保坂 健(自衛隊)
▼79kg級 高谷惣亮(ALSOK)
▼86kg級 白井勝太(日大大学院)
〃 松坂誠應(自衛隊)
▼92kg級 石黒峻士(日大)
▼97kg級 山口 剛(ブシロード)
〃 園田 平(自衛隊)
▼125kg級 荒木田進謙(レッスル・アカデミー)
〃 山本泰輝(拓大)