※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
2月16日(金)~18日(日)にスウェーデン・クリッパンで行なわれる「クリッパン女子国際大会」に出場する中学生・高校生を中心にした女子チームが2月14日、成田空港発の日本航空で出発した。大会後は地元チームほかとの合宿に参加し、22日に帰国する。
昨年はシニアで「金2個、銅4個」、カデットは参加9階級中8階級で優勝し、チーム対抗得点でもロシアを破って優勝という好成績だった。今年のシニアは世界レスリング連盟(UWW)の定めるランキング決定大会となり、世界トップ選手が数多くエントリー。昨年より厳しい闘いとなりそうな雰囲気だ。
吉村祥子監督(エステティックTBC)は「初めてパスポートをつくった選手から、U-23とシニアの世界チャンピオンまで、実績と経験値ではかなり幅広いメンバーによる遠征。上の選手は初心に戻るとともに、若い選手を引っ張っていいチームづくりをしてほしい。下の選手は世界チャンピオンの背中を見て、それを目標にして頑張ってほしい」と望んだ。
大会出場のあと合宿練習があり、見つかった課題にすぐに取り組めることも、この遠征の特徴。「世界のシニアのトップ選手と練習したり、練習方法を学ぶなどいい経験ができる遠征。試合では勝つことを目標に、合宿ではその後につながる収穫を望みたい」と話した。
この遠征には初めて参加する志土地翔大コーチ(至学館大職)は「海外遠征は初めてという選手もいるので、しっかりサポートしたい。シニアは世界のトップレベルの選手が出てくるので、まず勝ちにいき、自分がどの位置にいるか確認してほしい」と言う。
合宿を伴う遠征参加は初めて。「外国チームがどんな練習をやっているかを知る機会。しっかり学んできたい」と、自身も収穫を得る遠征にしたいという。
昨年に続く参加となる吉田栄利コーチ(三重・一志ジュニア教室)は「去年以上の成績を目指して指導したいが、それ以上に、将来につながる試合をさせたい。シニアの外国選手はすごいメンバーが参加する。どれだけやれるか楽しみ。試合後には合宿があって、試合で負けた悔しさをぶつけられる遠征なので、結果を恐れず思い切ってぶつからせたい」と話した。
シニアの主将に指名された50kg級の須崎優衣(JOCエリートアカデミー/東京・安部学院高)にとっては、昨年12月の全日本選手権で敗れてから初めての大会出場となる。「強い気持ちを持ち、今まで練習してきたことを信じて闘いたい。(負けたことで)今は挑戦者。0からはい上がるという気持ちです」と気合を入れた。
前日、3月17~18日に群馬・高崎市で行われる女子ワールドカップの日本代表メンバーが発表されたが、48kg級世界チャンピオンである須崎の名前はなかった。「出たかった。悔しい」という気持ちを吐露した一方、「世界選手権こそは代表になる。そのためにも、まずこの大会で優勝という気持ちでいっぱいです」とのこと。
昨年の世界選手権とワールドカップで激突も予想されながら実現しなかったマリア・スタドニク(アゼルバイジャン=リオデジャネイロ・オリンピック48kg級2位)がエントリーしているのも刺激材料。「闘いたい。勝って優勝し、大きな成果を持って帰国したい」と話した。
トップ選手が多く参加するといえば76kg級。オリンピック・チャンピオンや現・前の世界チャンピオンなど、世界選手権と言ってもいいほどのエントリーがあった。そこに挑戦するU-23の75kg級世界チャンピオンの松雪泰葉(愛知・至学館高)は「名前負けしないようにし、やるからには勝つ」ときっぱり。
昨年の大会ではオリンピック・チャンピオンのエリカ・ウィーブ(カナダ)と闘っており、1-10で敗れている。リベンジという目標もあり、「差を縮めたい。勝ちたい」と気持ちの高揚を話した。
カデットの稲垣柚香主将(愛知・至学館高)は、昨年4試合をいずれも無失点のフォールかテクニカルフォールで勝って優勝しており、チームの大黒柱として連覇を目指す。「キャプテンをやることになったのは初めて。みんなで団結して、カデットでの団体優勝を目指します」と言う。
昨年9月の世界カデット選手権(ギリシャ)でも優勝しており、自分の力を出せば優勝は固いと思われる。「自分から攻めるレスリングで頑張ります。世界チャンピオンとの遠征は学ぶことがたくさんあると思います。しっかり学んできたいです」と話した。
日本チームは下記の通り。22日に帰国する。
《大会日程》
2月16日(金) カデット全階級
17日(土) カデット全階級 / シニア全階級
18日(日) シニア全階級
【監督】吉村祥子(エステティックTBC)、【コーチ】志土地翔大(至学館大職)、吉田栄利(三重・一志ジュニア)
【ドクター】橋本立子(関東中央病院)
【帯同審判員】筧田幸宏(山口・田布施農工高教)
▼50kg級 須崎優衣(JOCエリートアカデミー/東京・安部学院高)
▼53kg級 今井佑海(京都・海洋高)
〃 入江ななみ(福井県体協)
▼55kg級 永本聖奈(愛知・至学館高)
▼57kg級 南條早映(JOCエリートアカデミー/東京・安部学院高)
▼59kg級 花井瑛絵(愛知・至学館高)
▼62kg級 類家直美(愛知・至学館高)
▼65kg級 森川美和(東京・安部学院高)
▼68kg級 福島宇美(東京・安部学院高)
▼72kg級 松雪成葉(愛知・至学館高)
▼76kg級 松雪泰葉(愛知・至学館高)
▼40kg級 植松夏鈴(静岡・沼津学園ジュニア)
▼43kg級 中西美結(三重・一志ジュニア)
▼46kg級 坂本由宇(東京・AACC)
▼49kg級 藤波朱理(三重・いなべクラブ)
▼53kg級 尾﨑野乃香(東京・成城学園中)
▼57kg級 稲垣柚香(愛知・至学館高)
〃 石井亜海(群馬・おおたスポーツアカデミー)
▼61kg級 齊籐美姫(青森・十和田クラブ)
▼65kg級 中井ほのか(愛知・至学館高)
▼69kg級 鏡優翔(JOCエリートアカデミー/東京・帝京高)
▼73kg級 山本和佳(三重・一志ジュニア)