※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
日韓高校選抜交流競技会で韓国高校選抜チームが11月22日に来日。23日に東京・味の素トレーニングセンターで親善試合が行われ、フリースタイルは日本が9勝3敗、グレコローマンは韓国が6勝2敗。通算は日本が11勝9敗で勝った。8月に日本が遠征した時は、フリースタイルは10勝2敗と勝ち越し、グレコローマンは韓国が5勝2敗だった。
原喜彦団長(新潟・巻総合高教)は「全試合が接戦で、全試合で2時間半を超えたのは初めてだと思う」と、両国の実力が接近していると分析。フリースタイルは、一時は日本が完全に上だったが、今回は最初の2試合をテクニカルフォールでとられるなど、どうなるかと思われたスタート。アジア・カデット王者を抱え、間違いなく実力を戻しているという。
韓国が大きく勝ち越したグレコローマンでは、勝てなかったが日本の重量級が健闘。韓国遠征の時にはテクニカルフォールで負けた相手に、別の選手が同点の内容負けにまで接近するなど、差は縮まっているという。
3年前から、初日に試合をやり、そのあと練習というスケジュールに変えたが、「最終日に試合をやるより、この方が思い切って試合ができ、その後の練習で反省点に取り組める」として、今後もこの方式を続ける予定。
ただ、親善試合の場所を変える可能性もあるという。味の素トレセンは常設のマットがあり、会場づくりの必要がない利点がある反面、練習施設であるため観戦のために入所することができない。「選手の保護者や恩師で、試合を見たい、という人も少なくない」と言う。
近隣の高校選手や指導者にも見てほしいだけの内容ある闘いが展開されており、観客が来られる体育館を持つ高校などに、練習場所を含めてお願いすることも考えているという。いずれにせよ、ことし第21回を迎えた交流は、来年以降も実りあるものとして続いていきそうだ。
フリースタイルの基山仁太郎主将(三重・いなべ総合学園高)は「フリースタイルは出だしは悪かったのですが(2連敗)、持ち直して勝ち越すことがでいてよかった。積極的に声を出して盛り上げることを心掛けた」と言う。
自身もテクニカルフォール勝ちし、主将の役目を果たしたが、「韓国選手は前半の攻撃力が日本選手よりある」と、日本選手はスタミナで上回って勝っているという。「前半の攻防でも負けないようにしないとならない」と言う。
12月の全日本選手権に出場する選手も多く参加した。「年上の選手が相手でも十分に闘える選手も多い。団結して、しっかり頑張りたい」と話した。
グレコローマンの安楽龍馬主将(山梨・韮崎工高)は「自分は勝ったけど、チームとして負けてしまったのは悔しい。韓国選手は押しの強さがある。残りの合同練習を通じて学び、盗み、各選手が高校へ帰って、見つけた課題に取り組み、チームの選手に伝えてほしい」と話した。