※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
インドの各メディアが報じたところによると、2012年ロンドン・オリンピックの男子フリースタイル66kg級決勝で米満達弘・現自衛隊コーチと闘い、銀メダルとなったスシル・クマール(34歳)が先週末のインド選手権74kg級に出場。優勝した。しかし、準々決勝から決勝までの3試合が不戦勝という内容で、クマールを優勝させるための八百長説も出て後味の悪い結果となった。
クマールは1回戦を48秒、2回戦を1分45秒で勝ったものの、その後の3試合は相手の選手がレフェリーに棄権の意思表示をし、試合をすることなくクマールの手が上がったという。
3選手は「敬意」という言葉を使ったとのこと。2010年にインド初の世界王者に輝き、オリンピックで銀メダルを取った選手へ花を持たせた可能性があるが、証拠はない。「スポーツの尊厳を傷つけた」という声もあがっている。
クマールはロンドン・オリンピックのあと、2014年にマットに戻り、コモンウエルズ大会74kg級で優勝するなどしたが、その後は試合に出場しておらず、リオデジャネイロ・オリンピックも目指さなかった。