※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
金メダルを持ち帰り、家族に迎えられた古里光司さん
世界ベテランズ選手権(ブルガリア・プロヴディフ)に初出場で初優勝を遂げた古里光司さん(神奈川・磯子工高教)は10月18日、羽田空港に帰国。「優勝候補の方が次々と敗れていって最終日になってしまい、優勝しなければ、というプレッシャーがありました。金メダルを取れてホッとしています」と安堵の表情を浮かべた。
大会前に他国選手の練習を見たら、かなり高いレベルで、「勝てないかも…」という気持ちに襲われたという。その中を勝ち抜けたのは、「高校で部員とともに毎日、ランニングもスパーリングもやっているからかな」と、体力がまだ十分にあることを挙げた。「生徒も積極的にスパーリングを挑んできてくれて、鍛えてもらいました。生徒に感謝ですね」と言う。
こうした練習環境下では、当然、来年以降の優勝も期待されるわけで、遠征中にもチームメートから「連覇だぞ」と言われたそうだ。しかし、来年は3年生の担任になる可能性があり、「そうなると、行けないかもしれないですね…。出たい気持ちはあるので、なんとか調整できればいいと思っています」と、条件次第だが、来年の出場にも前向き。
“練習相手”をしてくれた教え子に感謝の古里さんだが、実は、天国にいる盟友への感謝の気持ちをもっての帰国だった。3年前にフィリピンで起きた「保険金殺人事件」といえば、新聞やテレビでも大々的に報じられ、覚えている人も多いと思われるが、1億円の保険金をかけられた末、射殺された整骨院経営の鳥羽信介さんの命日が、奇しくもこの日。
被害者の鳥羽さんは日大レスリング部出身で、古里さんと同期。部屋も同じことが多く、「4年間、苦楽をともにした仲間です。彼のほか、同期の人間がいたから4年間、頑張ることができ、今があります」とのこと。
出迎えに来ていた愛里夫人によると、ベテランズ選手としての活動を始めたのが3年前で、鳥羽さんが殺害された後だったという。友の無念の思いを抱えてのマット活動だった。古里さんは「亡くなったのが10月18日なんですよね。今回の金メダルは、信介を含め同期の人間のおかげだと思っています」としんみり。
「信介のおかげで取れました」と繰り返し、無念の死を遂げた元チームメートへの感謝と思いを口にした。
(2017年8月25日、共同通信)
フィリピンの首都マニラで2014年と15年、死亡保険金を得るため男性2人を殺害したとして、殺人などの罪に問われた無職岩間俊彦被告(43)の裁判員裁判で、甲府地裁は25日、「金銭のために手段を選ばない非道な犯行。遺族も死刑を望んでいる」として、求刑通り死刑を言い渡した。岩間被告は一貫して無罪を主張していた。判決によると、岩間被告は久保田正一受刑者(44)=殺人などの罪で無期懲役確定、菊池正幸受刑者(59)=殺人罪で懲役15年確定=らと共謀して現地で実行犯を雇い、14年10月18日夜(現地時間)、山梨県韮崎市の整骨院経営鳥羽信介さん=当時(32)=を拳銃で殺害。15年8月31日~9月1日(同)には久保田受刑者と共謀して、同県笛吹市の会社役員中村達也(なかむら・たつや)さん=同(42)=を拳銃で殺害した。
鳥羽さんと中村さんは、岩間被告が大株主だった会社の役員で、それぞれ死亡時には会社を受取人として鳥羽さんに1億円、中村さんに5千万円の保険金が掛けられていた。
(注)岩間被告は判決を不服として控訴中