※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
フランス・パリで行われた世界選手権、日本は金メダル6個を含めて9個のメダルを獲得。近年まれにみる好成績だったが、世界レスリング連盟(UWW)のインストラクターとして参加した斎藤修審判員(日本協会審判委員長)が最優秀審判と言えるゴールデンホイッスル賞を獲得するなど審判の活躍もめざましかった。
今回参加したのは、斎藤審判員のほか、リオデジャネイロ・オリンピックを裁いた沖山功審判員(香川・香川中央高教)、世界選手権は初参加となる篠原正樹審判員(静岡・吉原工高教)と小池邦徳審判員(奈良・天理教校学園高教)。
オリンピックも裁いた沖山審判のレフェリングのうまさは言うに及ばないが、小池審判員は第1日のファイナルマッチである男子グレコローマン85kg級決勝のレフェリーに抜てきされる実力を見せ、篠原審判も3位決定戦を裁いた翌日の審判ミーティングで、「とても素晴らしかった」と名指しされたという。
日本審判員がゴールデンホイッスル賞を受賞するのは、斎藤審判員によると、2013年大会の芦田隆治審判員以来という。
同審判員は「事前に何も知らされず、急に言われてびっくりした。他の審判が候補に挙がっていたのに、(周りの審判が)サプライズを演出したみたいです」と振り返る。「これからも頑張れ、というメッセージだと思っています。3スタイルでの日本の優勝を見られたいい大会の時に、いい思い出ができました」と言う。
初参加で決勝を裁くことになった小池審判は「言われた時は、びっくりして緊張した。国際審判としての10年と、国内でも多くの方に指導していただいたからでしょう、落ち着いてマットに上がることができました」と振り返る。
アジア選手権など他の国際大会での決勝のマットは経験があるが、世界選手権、しかもベルシー・アリーナという大体育館での試合は雰囲気が違う。その分、緊張の度合いも違うが、「楽しもう、このムードにのまれないようにしよう、という気持ちでした」と言う。
斎藤審判はUWW枠だが、世界選手権で日本人の審判が4人も参加したのは初めてのことだという。同審判は「若い審判の活躍は頼もしい。選手だけでなく、審判も世界の舞台で頑張っていることを知ってほしい」と話した。