※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
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(文=保高幸子) 泉武志(一宮グループ)
5月のアジア選手権(インド)では、最軽量級以外では2008年の松本慎吾(84kg級=現男子グレコローマン強化委員長)以来の優勝を成し遂げた。現在、世界レスリング連盟(UWW)のランキング7位につけており、周りからの期待度も以前とは違う。
全力で野獣のように相手を追い込むレスリング。「ルールも階級も自分にぴったり。今、世界一にならなければ…。何が何でも優勝する」と燃えている。
母校・日体大の監督である松本強化委員長は「取り組む姿勢が変わりました。顔からでも相手にぶつかっていって、ボクサーのように顔が腫れても前にでる。体力、プレッシャー、ガッツは一流」と評価。足りないのは決定力のある技で、同委員長は「これを高めてくれたら」と注文し、泉自身もその点を意識して取り組んでいる。
6月の全日本選抜選手権で勝ち、2階級にまたがっての2度目の世界選手権出場を決めた=撮影・矢吹建夫
■リオデジャネイロを目指していた時は、「死にもの狂いの本気ではなかった」
泉の経歴はエリートのそれではない。高校2年生でレスリングを始め、大学では学生タイトルを一つ。卒業と同時に燃え尽き引退。復帰してリオデジャネイロ・オリンピックを目指したものの、国内予選大会(2015年全日本選手権)で頚椎(けいつい)を損傷。翌春の復帰戦では、3日前に交通事故に遭うアクシデント。5年間で3回の離脱。それでも「オリンピックは夢だから」と、あきらめなかった。
全日本合宿で練習する泉=撮影・保高幸子
レスリングと向き合う時間も増えた。「練習が終わってからも、動画を見たりイメージをしたり。治療やトレーニング、色んな人にサポートしてもらっているから、それが強さになっています。勝たなきゃいけないという気持ちです」-。
「レスリング=女子となってしまっている。男子のレスリングのいいところを見せたい。みんなに知ってほしい」との意地もある。リオデジャネイロを逃してようやく本気になった泉。「オリンピックを目指している自分に満足していた」というあの頃とは別人だ。世界の舞台で“グレコローマン・泉武志ここにあり!”をみせつける。
泉武志(いずみ・たけし=一宮グループ) 初出場(通算2度目の出場) 1989年4月6日生まれ、28歳。愛媛県出身。愛媛・愛媛・八幡浜工高~日体大卒。175cm。2011年全日本学生選手権60kg級優勝。卒業でいったんマットを離れたが、思いを断ち切れず2013年に復帰。2014年に全日本社会人選手権71kg級、国体66kg級、全日本選手権66kg級で優勝。 2015年に世界選手権出場を果たした。負傷のためリオデジャネイロ・オリンピックは逃したが、71kg級で復帰。2016年全日本選手権を制し、2017年アジア選手権で優勝した。 |
![]() 2011年全日本学生選手権60kg級で優勝、唯一の学生タイトルを手にした=撮影・矢吹建夫 |
![]() 2015年世界選手権(米国)で闘う泉=撮影・矢吹建夫 |
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