※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
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(文=布施鋼治) 高橋侑希(ALSOK)
それはそうだろう。今年の大会には、昨年のリオデジャネイロ・オリンピックで金メダルを獲得したウラジーミル・キンチェガシビリ(ジョージア)が階級を上げ、銀メダルを獲得した樋口黎(日体大)と銅メダルのハジ・アリエフ(アゼルバイジャン)も階級アップ。もう一人の銅メダリストのハッサン・ラヒミ(イラン)も負傷で欠場する可能性が濃厚。メダリストがだれもいない状況が予想されるからだ。
そうした情報を、高橋はインターネットを駆使して自分でリサーチしたという。「イランのサイトを見たら、ラヒミはけがのためたぶん不出場、と。代わりに(今年5月に初めて出場した)アジア選手権で自分と闘った選手(レザ・アーマダリ・アトリナグハルチ)が出てくるようです」
今年5月のアジア選手権で優勝=撮影・矢吹建夫
■他の大会とは雰囲気が違う世界選手権だが、気負わずに臨む!
高橋は2014・15年に世界選手権に出場しているが、いずれもメダルには手が届かなかった。だからといって今回、必要以上に“三度目の正直”と気負うことはない。緊張するタイプであるからだ。「変に気負いすぎるとガチガチになってしまう。いつも通り自分から攻めて得点につなげたい」
世界選手権の雰囲気は、他の国際大会と比べると違っていたことは今でも覚えている。「みんな鬼気迫っているというか…。どの選手からもハングリー精神をひしひしと感じます。ただ、その雰囲気に合わせてしまうと、剛VS剛みたいな感じになってしまう。『世界選手権だから』というのではなく、普通にひとつの国際大会に出るような感じで挑みたい」
全日本合宿で練習する高橋侑希
前に出るプレッシャーは世界でも通用すると自負する。課題は試合が始まると相手の攻撃を見てしまいがちなこと。「そうなると得点に結びつかないので、自分からプレッシャーをかけつつタックルに入りたい」
アジア選手権で実践することができたリラックスした動きで、高橋は世界でも金メダルを目指す。
高橋 侑希(たかはし・ゆうき=ALSOK) 3大会連続3度目の出場 1993年11月29日生まれ、23歳。三重県出身。三重・いなべ総合学園高~山梨学院大卒。159cm。2009~11年に3年連続でインターハイ優勝。2012年には1年生で全日本大学選手権優勝。2014年に全日本選抜選手権で勝ち、世界選手権へ初出場して5位入賞。 2015年世界選手権は9位。同年の全日本選手権で5位に終わり、リオデジャネイロ・オリンピックの道は断たれた。2016年はゴールデンGP決勝大会3位のあと、全日本選手権で優勝。2017年アジア選手権で優勝。 |
![]() 2007年全国中学生選手権、2年生にして全国制覇を達成(右端) |
![]() 2010年ユース・オリンピックで見事に優勝=撮影・鎌賀秀夫 |
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