※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
練習前には至学館大の谷岡郁子学長(日本協会副会長)が選手を激励
3スタイルの合同合宿はこれまで東京・味の素トレーニングセンターで何度か実施したことがある。栄和人・強化本部長は今回、至学館大で実施することになった経緯を、昨年のリオデジャネイロ・オリンピックにおける至学館大選手の終盤の逆転勝ちできる強さに対し、「男子のコーチから、どんな環境で練習して、あの粘りが身についているのかを知りたい、との声が挙がった」と説明。「コーチが見るだけでなく、選手が接して知ってほしい」として実現したという。
男子コーチには現状を見せるだけではなく、創部のあとしばらくは剣道部や空手部と場所を分け合って練習し、多くの苦労を乗り越えての歴史があることを説明。一朝一夕にできた強さではないことも伝え、強さの根源を知ることで「競技力向上に役立ててほしい」と話した。
練習では、慣れていないからだろうが、至学館大選手のトレーニングメニューでかなりまいっている男子選手もいたそうだ。環境を変えて練習することのメリットは大きいようだ。
2面マットで3スタイルのトップ選手が汗を流した
世界選手権へ向けては、「日々の練習の中に技術、体力、気力のすべてを入れて強化をはかる。技術だけ、体力だけ、と特化しない。すべてを鍛えて強い選手をつくる」と話したが、男子は「体力・スタミナが劣っている。追い込まれた練習をやらないとつかない。とことん追い込みたい」と話した。
今回、女子55kg級で代表に決まったのは、三重・一志ジュニア教室出身の奥野春菜(至学館大)。これで男女24人中、6人が三重県出身の選手となった(他に高橋侑希、藤波勇飛、向田真優、伊藤彩香、土性沙羅)。吉田沙保里選手の影響もあると思われるが、「6人とも今回メダルを狙え、東京オリンピックで優勝を目指せる選手。県の長年の強化が実ったからだと思う。すばらしい業績だ」と評価した。
この合宿から、負傷・手術で戦列を離れていたリオデジャネイロ・オリンピック女子48kg級金メダリストの登坂絵莉(東新住建)が復帰。世界選手権代表の須崎優衣(JOCエリートアカデミー/東京・安部学院高)と打ち込みやスパーリングもやり、本格復帰へ向けて動き出した。
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![]() 栄和人強化本部長ほかコーチ陣 |
![]() 吉田沙保里コーチの技術指導。男子選手も真剣に見入った |
![]() マットに復帰し、須崎優衣とスパーリングする登坂絵莉(右) |
![]() オリンピック前を思わせるほど多くの報道陣が詰めかけた |