※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
大舞台での闘いを終えて帰国した日本チーム
女子48kg級の入江のゆき(自衛隊)のみが勝った1勝9敗という結果。しかし、赤石光生監督(日本協会強化本部長補佐)は「アメリカは世界チャンピオンやオリンピック・チャンピオンが出てきていた。そこと闘えたというのが選手のプラスなったと思います」と貴重な経験だったと振り返った。
もちろん、「まだまだ自分たちの練習が足りないんだなとか、組み手がないんだなとか、いろいろ課題が選手は分かったと思う」と厳しくも振り返り、「東京オリンピックに向けてどのくらいできるのか、というところが僕らに与えられた使命。今回は負け超したけど、プラスにできる自信を持って帰ってこられたので、次回頑張っていきたいです」と総括した。
男子フリースタイルの湯元進一コーチ(自衛隊)は、判定については多少の不満があったようだが、「アメリカ(が主催する)のショー(のような大会)なので、仕方ないです。チャレンジした時もいつもと雰囲気が違った。次から投げられなかったです」と言う。
学ぶことも多かった。「アメリカチームは『勝たなくちゃいけない』というプレッシャーの中で力を出してきた。それだけの練習をしてきていると感じました。日本チームは後半ばて気味で、プレッシャーに負けて相手のレスリングをしてしまった。経験不足を感じました」と話した。
解散前のミーティング
(取材・撮影=矢吹建夫)
■フリースタイル74kg級・高谷惣亮(ALSOK=オリンピック王者バローズ選手との3回目の対戦も実らず)「(楽しく試合ができたというのもあるし、ちょっと審判のアレ(地元びいき判定)があった。今回はオリンピックに絡む試合ではないのでいいんで
すけど、オリンピックに絡む試合はそういった細かいところが重要になってくる。修正をしながら勇気を持って闘っていきたいと思います。
チームとしては、実力差は圧倒的にあった。結果だけ見れば完敗なってしまうので、各々が反省点を見つけて、これから考えて取り組めばと思います。今回の舞台はオリンピックに近い雰囲気があった。こういった経験はめったにできないので、いい経験になったと思います」
------------------------
■女子48kg級入江ゆき(自衛隊=チーム唯一の白星)「次につながる試合になりました。集中することが目標の1つだったのでそこはできたかなと思います」
------------------------
■女子58kg級・熊野ゆづる(日大=53kg級オリンピック・チャンピオンに善戦)「相手の力がすごく強くて、フェイントもしてきた。自分はまだまだだなと実感しました。がっちり組まれて固まっている時間が多かったので、もっと組み手を覚えて相手を震え上がらせるレスリングをしていきたいです」