※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
全階級でメダルを獲得して帰国した女子チーム
ただ、笹山秀雄監督(自衛隊)は「成績はよかったが、力を出し切れていない選手もいた。全階級で金メダルもいけた。ふだんの力を出し切れるように指導したい。(優勝した)土性選手も攻め切れないことが多く、失点も多かった」と厳しい第一声。「このままでは世界での闘いに不安があります」と言う。
ただ、48kg級の須崎優衣(JOCエリートアカデミー/東京・安部学院高)、55kg級の南條早映(同)の若い選手の優勝には満足そう。「須崎は中国を破る殊勲をあげ、世界選手権でも優勝を狙える。南條も持っているものを出し切った」と話した。
今回の優勝選手は7月14~16日のゴールデンGP決勝大会(アゼルバイジャン)の出場資格を与えられる予定で(交代も認められる)、世界選手権の代表に決まれば、世界選手権前の実戦練習として参加することもできる。
金メダル獲得選手。左から須崎優衣、向田真優、南條早映、川井梨紗子、土性沙羅
■48kg級優勝・須崎優衣(JOCエリートアカデミー/東京・安部学院高)「アジアを勝ったことで、世界チャンピオンになりたいという気持ちを強く持ちました。ただ、課題も多く見つかりました。タックルでしかポイントを取れなかったので、がぶりやグラウンドの必要性などです。しっかり克服して世界選手権の代表を勝ち取り、世界選手権へ向かいたい。(オリンピック3位の孫亜楠を破り)自信になります」
■53kg級優勝・向田真優(至学館大)「絶対優勝と思っていて、達成できたのでよかったです。準決勝の中国戦は2-0で危なかったのですが、最後まで強い気持ちを持って闘うことができたのが収穫です。後半守ってしまう部分があったので、それを克服して明治杯(全日本選抜選手権)に臨みたいと思います。階級は違いますが、今年も世界選手権で金メダルを取れるように頑張りたい」 解散前のミーティング
■60kg級優勝・川井梨紗子(ジャパンビバレッジ)「結果も内容も自分の思う通りで、いい大会でした。新しい階級でしたけど、58kg級も63kg級も経験していて、その間の階級なので特別なことは何もありません。階級は違っても周りからは研究され、マークされているところは感じました。その中でも勝てたので、よかったです。でも、いろんな国からいろんな選手が出てくるでしょうし、その中で安定した強さを目指したい。会社の人からも祝福いただきました。明治杯はジャパンビバレッジでのシングレットの初戦なので、がんばりたい」
■69kg級優勝・土性沙羅(東新住建)「優勝できたことはよかったのですが、内容は全然駄目だった。課題が見つかったことがよかったことです。カザフスタン戦も中国戦も攻め切れず、中国戦は失点も多かった。まだしっかりできていないことが分かった。研究されていると感じることもありましたが、それを乗り越えなければなりません、明治杯へ向けて、失点しないという課題を克服していきたい」