※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
ニューヨークへ向けて出発した日本チーム
赤石光生監督(日本協会強化本部長補佐)は「アメリカの選手は実績のある選手ばかり。その中でどれだけ力を発揮できるか。闘うのは1試合だけなので、集中し、全員が勝てるように頑張らせたい」と必勝宣言。
男子の湯元進一コーチ(自衛隊)は「ニューヨークの繁華街で行われる試合。世界選手権でもオリンピックででも味わうことのない雰囲気だと思う。どんな状況でも物おじせずに闘える精神力を身に着けるには最高の舞台」と、技術うんぬんより気持ちを鍛える貴重な場と位置付ける。
「(相手の)応援に対して委縮してしまっては、どんな技も出せなくなる。相手の応援を自分の応援と思い、自分の力を発揮してほしい。階級によっては実力差があるかもしれないが、全体を見れば技術的には互角。勝ち越しを目指し、さらに全勝を目指します」と気合を入れた。
女子の金浜良コーチ(ジャパンビバレッジ)は「女子の一番の目玉は、熊野ゆづる(58kg級=日大)が闘うオリンピック・チャンピオンのヘレン・マロウリス。気持ちで負けないように闘わせる」と言う。
48・69kg級の選手も国際舞台で実績のある選手。同じく「気持ちで負けないこと」と話し、若い69kg級の森川美和(東京・安部学院高)に対しては「重量級は勝てない、などと思うことなく、力を出し切ってほしい」と期待した。
男子のエース、74kg級の高谷惣亮(ALSOK)は、オリンピックと世界選手権を合わせて4度優勝しているジョーダン・バローズとの対戦が決まった。実力も知名度もナンバーワンの選手だけに、「すごく楽しみ。メンツを見るとアメリカの本気度が伝わってくる。すごい熱狂になるでしょう」と、試合が待ち切れない様子。
2連敗している相手だが、最初は接戦、2回目は足を負傷していて万全な状況ではなかった。地力は互角と思っている。「タックルの取り合いになるかな? 作戦とかなく、真正面から思い切りいきたい」と話し、かけひきなしに力をぶつける予定。「アメリカの観客を味方にしますよ」と燃えている。
女子で最も注目される試合に出場することになった熊野は「強いと分かっている選手。自分のレスリングをやって、ポイントを取れるようにがんばりたい」と控えめ。4月にジュニアクイーンズカップとJOCジュニアオリンピックに勝って昇り調子だが、ジュニアとシニア、しかもオリンピック女王が相手では勝手が違うので、やむをえないだろう。「先にポイントを取れるよう積極的にいきたい」と話した。
◎役員
【監督】赤石光生(ジャパンビバレッジ)、
【男子コーチ】湯元進一(自衛隊)、【女子コーチ】金浜良(ジャパンビバレッジ)
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◎選手
【男子フリースタイル】
▼57kg級 中村倫也(博報堂スポーツ)
▼61kg級 有元伸悟(近大職)
▼65kg級 高谷大地(自衛隊)
▼70kg級 多胡島伸佳(KATSURA group)
▼74kg級 高谷惣亮(ALSOK)
▼86kg級 村山貴裕(自衛隊)
▼97kg級 山本康稀(GENスポーツ)
▼125kg級 金澤勝利(自衛隊)
【女子】
▼48kg級 入江ゆき(自衛隊)
▼58kg級 熊野ゆづる(日大)
▼69kg級 森川美和(東京・安部学院高)