※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
インドへ向けて出発した男子フリースタイル・チーム
井上謙二・男子フリースタイル強化委員長(自衛隊)は「世界選手権につながる結果を目指すとともに、アジアの現状を知る大会。選手はアジアのレベルを肌で感じることと思う。その結果に対して、何が必要かを探したい。ふだんの実力を出せばメダルを取れる選手ばかり。ふだんの力を出せるようにコーチは尽力したい」と話した。
技術的には、この冬重点的にやってきたアタックしてからポイントにつなげる処理をしっかりやり、タックルを取り切ることを望んだ。
チームの中心であり期待される61kg級の樋口黎(日体大)については、「ロシアの大会(1月、ヤリギン国際大会)で3位に入り、61kg級でも手ごたえを感じているはず。それをより確実なものにしてほしい」と望んだ。
インドで行われることで、選手、コーチとも体調面では細心の注意を払っている。監督自身は2010年アジア選手権の監督として同所を訪れており、その時は55kg級の湯元進一が優勝、60kg級の前田翔吾が2位になったほか、3位2選手とまずまずの成績を残している。「水などには気を付けさせたいし、体調維持のサポートはしますが、前回結果が出ています。いい場所です」ときっぱり。
出発前のミーティング
強化を目的とした国際大会出場とは、気持ちの面でも違うものがあるという。「外国の選手も違う気持ちでくると思う。それに応じて、こちらも国際大会以上のものを出したい」と話し、「オリンピックのトライアルまで、あと2年半。今から勝って自分の存在、日本軽量級の存在をアピールしたい」と、すでにオリンピックを見据えてオリンピック翌年最初の大舞台に臨む。
ヤリギン国際大会でメダルを取り、61kg級でも結果を出している樋口は「アジア選手権は初めてなので緊張していますが、自分の力を出し切って頑張りたい」という。ロシアで経験した61kg級の闘いは「パワーも体格もさほどの差はなかった。自分の形を出せれば勝てる」という。
イランが昨年のこの大会で2位、世界選手権で5位に入った選手が出てくるとの情報があるが、「ビデオを見て研究し対策も立てている。闘うことになったら、もう一度見直し、研究したい」と万全の体制をつくるつもりだ。
リオデジャネイロ・オリンピックの決勝で闘ったウラジーミル・キンチェガシビリ(ジョージア)が欧州選手権の61kg級で圧勝優勝した。ビデオも見ており「刺激されています。もう一度闘いたい相手。自分はアジアで勝たないとならない」と話した。
《大会日程》
5月10日(水) 男子グレコローマン66・75・80・98・130kg級
11日(木) 男子グレコローマン59・71・85kg級/女子63・75kg級
12日(金) 女子48・53・55・60・69kg級
13日(土) 女子58kg級/男子フリースタイル57・65・74・97kg級
14日(日) 男子フリースタイル61・70・86・125kg級
《男子フリースタイル・日本選手団》
【強化副本部長】西口茂樹(ナショナルコーチ)、【男子フリースタイル監督】井上謙二(自衛隊)、【同コーチ】小平清貴(警視庁)、前田翔吾(日本協会/クリナップ)
【トレーナー】近敏成(ハンズコーポレーション)、【ドクター】中嶋耕平(国立スポーツ科学センター)
【帯同審判】沖山功(香川・香川中央高教)、篠原正樹(静岡・吉原工高教)、小池邦徳(奈良・天理教校学園高教)
【選手】
▼57kg級 高橋侑希(ALSOK)
▼61kg級 樋口 黎(日体大)
▼65kg級 鴨居正和(自衛隊)
▼70kg級 中村百次郎(日体大助)
▼74kg級 浅井 翼(拓大)
▼86kg級 松坂誠應(自衛隊)
▼97kg級 赤熊猶弥(自衛隊)
▼125kg級 山本泰輝(拓大)