2017.05.01

男子フリースタイル・全日本チームが合宿打ち上げ

※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。

 4月25日から東京・味の素トレーニングセンターで合宿していた男子フリースタイルの全日本チームは30日、合宿を打ち上げた。各所属で練習したあと、5月10日にインド・ニューデリーへ向かい、アジア選手権に出場する。

 合宿にはロシアのサハ共和国からロシア選手権で優勝も狙えるような選手が参加。“国際合宿”となった。井上謙二・男子フリースタイル強化委員長(自衛隊)は「代表選手はアジア選手権へ向けて、代表以外の選手は全日本選抜選手権(6月16~18日、東京・代々木競技場第2体育館)へ向けての実戦練習がテーマ。ロシアのトップ選手に接することで、その目的は果たせた。見て聞くより、実際に接してこそ試合で攻防を体感できる」と、その効果を話した。

 ロシア・チームには、2004年アテネ・オリンピックの男子フリースタイル66kg級で池松和彦選手(現福岡大監督)と闘ったレオニド・スピリドノフ(当時の国籍はカザフスタン=2008年北京大会にも出場)がコーチ格として参加。持ち技を惜しげもなく披露してくれたという。カザフスタンのオリンピック代表ともなった選手の技を学ぶ経験もできた。36歳でまだ十分に体が動くコーチで、貴重な経験になったようだ。

 27日には練習試合が行われた。驚かされたのは、試合に臨む時の集中力。練習試合といえども“真剣勝負”であり、練習では互角で闘えていた選手であっても、試合では実力差を感じる結果が出たケースも多かったという。

 井上委員長は「試合に臨み、スイッチがオンになった時の集中力、最後まで相手を追い詰める執念、勝つためには何でもしてくる勝利への執着はすごかった」と振り返る。同委員長は3月、米満達弘コーチがコーチ留学している米国ペンシルベニア州立大を訪れたが、そこでも同じことを感じたという。

 「必要なものは闘争心」ということを感じさせてくれたロシア・チームの参加だった。

 合宿中には日本協会の斎藤修審判委員長に参加してもらい、微修正のあったフリースタイルのルール変更の講義を受け、ルール面でも万全を期した。


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コーチとして参加したレオニド・スピリドノフ

修正ルールの講習会

練習試合(撮影=保高幸子)

練習試合(撮影=保高幸子)