※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
UWWに抗議したイラン協会のラスール・ハデム会長
ハデム会長は、世界選手権におけるシード制のポイント・システムに疑問を投げかけるとともに、階級変更について「大きな混乱を招く」とし、「何のためにやるのか」「だれが利益を得るのか」など厳しく糾弾している。
同会長は、リオデジャネイロ・オリンピックの男子フリースタイル74kg級で金メダルを取ったハッサン・ヤズダニの例を挙げた。「彼はオリンピックで勝ったあと、次のオリンピックでは階級を上げて優勝を目指すべく、体を大きくした」とのことで、すでに86kg級の体になっているという(今年2月のワールドカップは86kg級に出場)。
UWWテクニカル委員会の提案した新階級では、86kg級はなく、その提案によればヤズダニは80kg級にしなければならない。「すでに80kg級には落ちない体になっている」とのことで、なぜ選手を無視した階級変更をやらなければならないのかに疑問を呈している。
(2013年に)レスリングがオリンピック競技に残った時は、ロシアの力が大きかったことを認める一方で、このルールや階級変更がロシア主体で行われようとしていることを強烈に批判。「レスリングはどこへ行くのか。また、オリンピックから外されようとするのか」などと危惧している。
また、イランのレスリング記者のメフディ・アタシン記者のフェイスブックでは、イランの主張に多くの国が賛同しているとし、10階級となる場合、イランが提案する階級として(注=決定事項なのか、検討案なのかは不明。また、どの階級がオリンピック階級かは不明)、下記の階級を挙げている。
59、62、65、70、75、80、86、92、100、130kg級
UWWテクニカル委員会(委員長はロシアのミハイル・マミアシビリ会長)がUWWに提案した階級は「55、60、65、70、75、80、85、90、100、130kg級(オリンピックは60、70、80、90、100、130kg級)」だが、ロシアのピーター・パブロフ記者によると、ロシアの主張は「55、 60、 65、 70、 75、 80、 90、 100、 110、 120kg級(オリンピック階級は不明)」とのこと。
日本では、UWW技術委員会が提案した階級が「採用される」とまで言われているが、UWWは「8月のUWW理事会にて投票で決める」としている。それまでに多くの論議を呼びそうな雲行きとなっている。