※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
2008年北京オリンピックの男子フリースタイル60kg級銀メダルのワシル・フェドルイシン(ウクライナ)のドーピング違反による順位剥奪で、銅メダルから銀メダルに繰り上がった湯元健一さん(現日本文理大職)は、今の気持ちを下記の通り話した。
■湯元健一さんの話「9年たっての銀メダル。複雑な気持ちです。今さら、と言うか、世間的に『銀メダリストです』って言っていいものかどうか…。あの試合(フェドルイシンとの準決勝)は負けたと思っています。
でも、こういう状況になっても『負けた』と言ってしまうと、アンチドーピングの流れに反することになりますね。世間とスポーツ界に『ドーピングはいけないことだ』と伝えるためにも、繰り上げを受け入れ、ドーピングはいけないというアンチドーピングの姿勢を訴えていく必要があるかもしれません。
ただ、金メダルを目指して闘って、1位でもそれに近づく記録を残せたことはうれしいです。(時間が経てば繰り上げが言及されることはない、との声に)そう考えると、銀メダリストとして名前が残ることで、喜ぶことですね」