【全国高校選抜大会・特集】大物食い連発！ 全国王者たちを倒して1年生王者に…白井達也（日体大柏）
※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
（文・撮影＝増渕由気子） ダークホース的な立場から優勝した白井達也（日体大柏）
学校対抗戦の決勝戦では、昨年のインターハイ個人２位、国体グレコローマン優勝の山田修太郎（秋田・秋田商）を相手に完璧なディフェンスでテクニカルポイントを許さず、前に出るレスリングでパッシブを取って勝利。すでにチーム勝敗がついているとはいえ、“番狂わせ”にコーチ陣は「よくやった」とねぎらった。
「山田先輩に勝ったことで波に乗れた」と、金星で勢いづいた白井は、個人戦でも大活躍。準々決勝では関東選抜大会で敗れている昨年の国体王者の吉田ケイワン（埼玉・花咲徳栄）に勝ち、準決勝では昨年王者の山本壮汰（静岡・飛龍）と、強豪の先輩たちを次々と撃破。前日の山田に勝ったことが“まぐれ”ではないことを証明した。
白井は「組み合わせを見たとき、やばいと思いましたが、優勝経験がある選手と早い段階で闘えるので」と、チャレンジャー精神でぶつかっていった。吉田戦は「関東選抜で負けていたから、片足タックルでポイントを取って勝ててうれしかった」と振り返り、山本戦は「ケイワンさんは山本さんに勝っている選手なので、山本さんにも勝たないと」。三段論法で山本を前に弱気にならずにぶつかっていった結果だった。
「スタミナは走りこんでいるので大丈夫。スパーリングもコーチ陣たちとよくやっているので問題なかった」と、１年生らしからぬ体力で重量級のトーナメントを勝ち抜いた。
今回は得点能力の高い先輩たちの攻撃を鉄壁のディフェンスでしのいだ印象が強かった。「自分は手足が短いので、組み合って近づけさせないレスリングをしました」。それがパッシーブやコーションにつながり、勝利をたぐり寄せた。夏までには得点能力を成長させることが課題。
「夏までにもっと強くなって、学校対抗戦で花咲徳栄（埼玉）と対戦する機会があったら、石黒（隼士＝昨年の84kg級三冠王者）に勝って、（重量級で）一番強いことを証明したい」と、ナンバーワンへのあくなき挑戦を口にした。
