※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
鋭い論調で知られる米国のレスリング・ニュース・サイト「FLO WRESTLING」が、世界レスリング連盟(UWW)が今年の世界選手権から実施するシード制にクレームつけた。
他のルール改正については、変更のみを報じているが、昨年のオリンピックと非オリンピック階級の世界選手権、今年の大陸選手権の成績を得点化してシードを決めるやり方には、「シード制」にならないケースが出てくると指摘している。 新ルールでは第3シードになる可能性もある絶対王者、アブデュラシド・サデュラエフ(ロシア)
サデュラエフが今年の欧州選手権に出場しなかった場合、UWWが示したルールだと、リオデジャネイロ・オリンピック優勝で獲得した「25点」が持ち点。
オリンピック2位のセリム・ヤサールが欧州選手権に出場して2位になった場合、オリンピック2位の「20点」と大陸選手権の「10点」を足して「30点」、オリンピック3位のシャリフ・サリフォフ(アゼルバイジャン)が欧州選手権で優勝した場合、オリンピック3位の「15点」と欧州選手権優勝の「12点」を足して「27点」。
いずれもサデュラエフを上回り、サデュラエフが第3シードになってしまうという。
また、世界選手権の男子フリースタイル70kg級で優勝したマゴメド・クルバナリエフ(ロシア)は、本来65kg級の選手で、ゴールデンGP決勝大会や欧州選手権で優勝の実績を持つ実力者。リオデジャネイロ・オリンピックの代表になれなかったため、世界選手権70kg級に出場したが、彼が本来の65kg級のロシア代表になった場合、ノーシードになるのはおかしいとしている。
各大陸選手権が一様に同じポイントとなっていることにも疑問を呈している。確かに、欧州選手権2位よりオセアニア選手権1位の方が高得点というのは、正しい評定とは思えないが…。
同サイトはリオデジャネイロ・オリンピックのあと、審判の不正ともとれる事象、ロシアがらみの試合には必ず旧ソ連圏の審判が起用されるなどや、3審判員が永久追放となった誤審試合が意図的な誤審だったことを具体例を挙げて指摘。そのほか、“不正審判”の氏名を挙げるなど、時に鋭い記事が掲載される。
UWWはすぐに審判の起用に関するルールを見直した。UWWに対しても、かなりの影響力を持っている。