※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
米国レスリング界史上最年少のオリンピック王者に輝いたカイル・スナイダー
リオデジャネイロ・オリンピックの男子フリースタイル97kg級で優勝し、米国レスリング界史上最年少のオリンピック・チャンピオンに輝いたカイル・スナイダーが、米国スポーツ界最高の栄誉「ジェームズ・サリバン賞」の最終候補に残った。体操女子で16歳で金メダル獲得のローリー・ヘルナンデスや柔道女子78kg級でオリンピック2連覇を達成した柔道のカイラ・ハリソンら6選手と争い、4月11日に結果が発表される。
女子53kg級で吉田沙保里選手を破って金メダルを取ったヘレン・マロウリスも候補に挙がっていたが、最終候補には残らなかった。
全米体育協会(NCAA)創始者のジェームス・エドワード・サリバン氏の名前をつけたこの賞は、1930年に始まり、米国のアマチュアスポーツで最も活躍した選手に贈られる伝統の賞。受賞者には水泳のマーク・スピッツ(1972年ミュンヘン・オリンピックで7種目すべてで世界記録を樹立して金メダルを獲得)や陸上のカール・ルイス(オリンピックで通算9個の金メダル獲得)など世界的なアスリートも名を連ねている。
陸上やバスケットボールからの受賞が多い中、レスリングでは1990年にオリンピック1回を含めて世界4連覇のジョン・スミス(男子フリースタイル62kg級=最終的にオリンピック2度を含めて世界6連覇)が創設61年目にして初受賞。以後、1995年のブルース・バウムガードナー(同130kg級=オリンピック2度を含め世界5度優勝)、2000年のルーロン・ガートナー(男子グレコローマン130kg級=アレクサンダー・カレリンのオリンピック4連覇を阻止)が受賞している。
1995年11月20日生まれのスナイダーは、2015年世界選手権(米国)で19歳にして世界王者に輝いた。昨年春のリオデジャネイロ・オリンピック米国予選では2012年ロンドン・オリンピック金メダリストのジェーク・バーナーを破って米国代表となり、20歳でオリンピック王者へ。ともに米国レスリング界史上最年少のチャンピオン。
他に、オリンピックを控えた6月に行われたワールドカップ(米国)では4戦全勝をマーク。カレッジスタイルで争われる全米学生選手権では過去2度優勝の選手を破って王者に輝いている。
サリバン賞の選考に関してはファン投票の結果も加味され、下記サイトから投票できる。米国レスリング協会では、レスリングの栄誉のため投票を呼び掛けている。