※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
両スタイルを制覇し、JOC杯へ向けて燃える上垣勇二(練馬自衛隊)
体育学校ではグレコローマンを専門にやる予定だが、今回はフリースタイルにも果敢にチャレンジ。上垣は「今まで練習でやってきたことが結果に出た。フリースタイルはタックルがしっかり入れた。グレコローマンは組み手を使って前に出ることができた」と第一声。来月末には世界ジュニア選手権につながるJOC杯を控えており、「いい弾みになります」と気分よさそう。
高校時代は全国高校生グレコローマン選手権と国体の3位が最高。「このままでは終わりたくない」と、レスリングを続けたい気持ちがあった。大学進学はあまり気持ちがなく、自衛隊へ進んでやることを希望。一般自衛官として入隊し、1年をかけて夢を実現した。すでに体育学校での練習も経験している。
ちょっと前の自衛隊のグレコローマン66kg級と言えば、飯室雅規(全日本V8=2010年アジア大会3位)が不動の王者に君臨し、そのあとも藤村義(2012年ロンドン・オリンピック代表)、清水博之(2011年アジア選手権3位、75kg級で2014年世界選手権5位)ら全日本トップ選手がそろっていた黄金の階級だった。
今は全日本のトップに名を連ねている選手がおらず、昨年の全日本選抜選手権、全日本選手権では、上位入賞というより出場自体が「0」だった。その分、上の階級の選手と練習する機会も多く、「厳しいです」と言う。逆に考えれば、選手がいない分、のし上がっていくチャンスも大きいことになる。「技をもっと覚え、頑張りたい」と期待に胸をふくらませていた。