※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
ダゲスタン共和国出身で2011年に世界一に輝いたザミラ・ラクマノワ(51kg級)
同地はロシアで最もレスリングが盛んな地域と言われ、オリンピック3度優勝のブバイサ・サイキエフ(フリースタイル74kg級)やオリンピック2階級制覇を達成したマブレット・バティロフ(同55・60kg級)を筆頭に多くの強豪選手を輩出。2014年に18歳で世界王者となり、翌年とリオデジャネイロ・オリンピックでも勝った同86kg級のアブデュラシド・サデュラエフもダゲスタン共和国出身。
女子でも、1995年の世界選手権50kg級でロシア初の世界チャンピオンに輝いたサネイト・ガナチュエワ、2011年世界選手権51kg級で優勝したザミラ・ラクマノワらがいる。しかし、イスラム教の強い地域であるため選手数は少なく、認知度は低かったという。世界一に輝いた選手は同地を出て強化していた。
ロシアのオマール・ムルタザリエフ副会長によると、女子のユーリ・シャクムラドフ・ヘッドコーチの発案で実現するそうで、「(イスラム教の多い)アゼルバイジャンやトルコでも女子の強豪が生まれている。女子の大会開催の実現により、若者の親を含めて同地の多くの人の関心を引きつけられる。女子レスリングの発展につながるものと確信している」とコメントした。
同地出身でリオデジャネイロ・オリンピック48kg級に出場したミラン・ダダショワは「以前は、女子レスリングは見向きもされなかった。今でも女性のレスリングに嫌悪感を示す人もいますが、多くの人が関心を持ってくれ応援してくれるようになりました。ダゲスタンでのロシア女子選手権の開催は、ロシアでの女子レスリングの発展につながると思います」と話している。