※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
(文=増渕由気子、布施鋼治、渋谷淳、岡野春希)
■男子フリースタイル57kg級・高橋侑希(ALSOK=世界選手権2度出場も、この大会は初優勝)「最低限の結果を残せた。全日本選手権の優勝は初めてなので、新しい気持ちというか、この流れを新年に向けてぶつけていきたい。(リオデジャネイロ・オリンピックは)樋口(黎)選手が出て悔しい反面、銀メダルを取れたということは、そういう選手が身近にいるということ。日本の軽量級が切磋琢磨することで東京の優勝につながると思う。来年の明治杯(全日本選抜選手権)では、樋口選手が57kg級に下げてきたり、前回の明治杯で負けている中村(倫也)選手が出てくると思うので、そうした選手に勝って世界選手権に出場したい」
鴨居正和(自衛隊)
■男子フリースタイル125kg級・山本泰輝(拓大=国体でのつまずきを乗り越えて2連覇達成)「準決勝と決勝戦では、先制したあと、入ってつぶされることを怖がり、攻めることができず、そのままずるずると試合を進めてしまった。試合内容はまずかったと思います。(今年1年を振り返り)オリンピック予選では、最初から攻めたが1ピリオドももたなかった。しかし、世界で闘うために必要な強さを感じることができました。海外の試合にも行かせてもらったのですごく良い経験ができた1年でした。来年の世界選手権では、この経験を生かしたいと思います。(4年後の東京オリンピックは)今日のような試合をしては負けてしまうと思うので、世界一の練習でもっと強くなりたいと思います」
屋比久翔平(日体大)
■男子グレコローマン85kg級・松本篤史(ALSOK=2014年にフリースタイル86kg級で優勝して以来2年ぶりの優勝)「グレコローマンに転向して国体で優勝しちゃって、それがまぐれでないことを証明したいと思って努力してきた。その成果が少しは出たのかなと思います。去年の12月に(リオデジャネイロ・オリンピックの)国内選考会で負け、日本代表にもなれず、(選手生活が)終わったと思った。時間がたつにつれ悔しさが沸き、兄の助言もあってグレコローマンで続けることにした。組まれると苦手なので、これを克服しないと海外では通用しない。今までのよさをいかしつつ、対応できるように練習していきたい」
奈良勇太(日体大)
■女子48㎏級優勝 須崎優衣(JOCエリートアカデミー/東京・安部学院高)「決勝は勝つことにこだわり、勝つ信念を強く持って闘おうと思いました。ひとつひとつ確実に(ポイントを)取りにいこうと思いました。タックルの処理とか練習でやってきたことを試合でも出せたことはよかったけど、課題もたくさん見つかったので、次に向けて頑張りたい。今年は自分のレスリング人生の中で一番濃い1年間だった。去年のこの大会では(入江ゆきに)負けて悔しい思いをしたので、今回は絶対優勝したいと思っていました。リオデジャネイロで優勝した登坂絵莉選手は全日本合宿などで練習をしていただいている。努力をしているので、本当にすごい選手だなと思いました。でも、次の東京オリンピックには私が絶対に出て金メダルを獲得したい」
■女子75kg級 鈴木博恵(クリナップ=けがから復帰して2年ぶり2度目の優勝)「優勝できて本当にうれしいです。前みたいにはっきりとした目標(オリンピック)があるわけではないので、日々の練習に取り組む気持ちが作れなかったりもしました。勝ちにこだわったレスリングをしてしまいましたが、優勝できたのでよしとしたいです。今後のことは自分の人生なので自分しっかりと考えていきたいなと思います」