※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
(文=増渕由気子、布施鋼治、渋谷淳、岡野春希)
■男子フリースタイル57kg級・長谷川敏裕(日体大=昨年は初戦敗退。今年は決勝進出も2位)「(優勝した高橋侑希とは)差がまだありました。先制はしたけれど、スタミナがなかったので逆転されてしまいました。今年はJOC杯からあまりいい成績ではなかったので、今回は優勝目指して頑張ってきましたが、ダメでした。準決勝で勝った成國選手は61kg級の選手なので減量がきつかったんだと思う。オリンピック銀メダルの樋口(黎)先輩とは練習している。まだ差がありますが、体力など全体的に向上してバランスのよい選手になりたい」
■男子フリースタイル57kg級・成國大志(青山学院大=準決勝でジュニア時代に同門だった長谷川敏裕に敗れる)「実力不足です。最初に点を取られ、思い通りにいかずに焦って、最後はスタミナが切れた。悔しいです。半年ぶりの57kg級は(注=今年は全日本学生選手権と国体を61kg級で優勝)、やっぱりばてた。体も大きくなっているし、これからどうするかよく考えたい」
■男子フリースタイル57㎏級・井出光星(専大=全日本大学王者。準々決勝で成國大志に0-10で敗れ)「相手のペースで最後まで試合が進んでしまった。成國選手はもともと61㎏級の選手なので、力があり、自分の展開に持っていけなかった。得意な組み手からのタックルなど自分の展開に持ち込めたら、もっといい勝負ができたと思う。今回は全日本大学選手権を制した勢いもあって調子はよかった。でも、まだうまい選手からポイントを取り切る技を確立していない。攻めがワンパターンなので、組み手からのアタックまでの展開をもっと増やしたい」
■男子フリースタイル57kg・谷山拓磨(京都・京都八幡高=初戦で大学王者に果敢に挑むもフォール負け)「前半は攻めの姿勢で闘ったが、一瞬の油断をつかれてしまった。大学生はやはり格上だった。緊張で足が止まってしまった。技術だけではなくメンタルトレーニングも行い、普段から試合を意識して練習に取り組みたい。高校での試合はこれで最後なので、次の試合に向けて身体づくりをしていきます」
■男子フリースタイル57kg級・松井稜(岐阜・中京高=初戦を突破し初の全日本選手権でベスト8)「日本のトップレベルの選手が集まる大会で、自分はまだまだだと感じた。初戦からもっと攻めたかったです。国内では初めて投げ技がかかった点は良かった。2試合目はグラウンドを取られ、守り切れなかったので、今後の課題です。(大学へ進む)2017年度はまず4月のJOC杯で優勝し、新人戦につなげたいです」
■男子フリースタイル65kg級・米澤圭(早大=学生二冠王者。混戦の階級で決勝に進み、鴨居正和に惜敗)「間合いを取られて、思うように攻めることができなかった。入賞が目標だったので決勝まで行けて驚いている。今年は成長を感じることができた1年だった。やっていることは間違っていないと思った。今年は学生の大会で勝つことができたので、来年はシニアの大会で優勝したい」
■男子スリースタイル65kg級・田中幸太郎(阪神酒販=この階級最年長26歳、初戦で昨年の61kg級王者に敗れる)「対戦相手(乙黒圭祐=山梨学院大)は手足が長い選手で、アタックを試みるも懐が深く、試合中に攻略できなかった。点の取り合いだったけど、終始攻められていたので、この流れを変えられなかったのは自分の力不足です。若手の勢いのある選手が台頭している中で、最年長の自分が壁になろうと思っていましたが、超えていかれましたね。来年度は、もちろん全日本選抜選手権がありますが、本当にそこでよいのか。もっと短期に目標を設定した方がよいのかをもう一度見つめ直します」
■男子フリースタイル65㎏級・高谷大地(拓大=準決勝で鴨居正和に敗れて3位)「力や圧力は65㎏級で一番あると思うけど、鴨居選手のような組み立て方がうまい選手は徹底的に自分のペースで試合をやる。そういう相手と闘うと、力を出し切れない。そこが一番の課題だと実感しました。もう一歩前に出られなかった。結果的に相手の間合いで闘っていたんですかね。(右目の腫れについて)鴨居戦の前の坂本侑之のタックルを受ける時にバッティングで。顔で止めないと受け止めきれなかったんですよ。(最近復調してきたことについて)場数を踏んで緊張しなくなったことじゃないですかね」
■男子フリースタイル125㎏級・金澤勝利(自衛隊=決勝で昨年王者に敗れて2位)「山本泰輝選手との対戦は2回目。最初は2年前のこの大会で闘って4-0で勝ちました。今回もいけるだろうと思ってやった。タックルは、1回は取られても仕方ないと思ったけど。自分がチャンスの場面に取り切れなかった。2年も経てば相手もこっちの弱い部分が分かっている。2年前の山本選手とは違っていた。(地元岩手での)国体は散々な結果に終わってしまいました。負けた直後は冷たい視線を感じるんじゃないかと思い、会場にいるのも辛かった。だからこそ今回はどうにか優勝しようと思っていたんですけどね」