【2016年全日本選手権・第１日／特集】優勝選手の声（３スタイル）
※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
（文＝増渕由気子、布施鋼治、伊藤暉、岡野希春）
初優勝の中村百次郎（日体大）
■男子フリースタイル86kg級・松坂誠應（日体大＝２年連続学生二冠王者の実力見せる）「優勝はしたものの、自分の形でやりきることができず、負け試合のような試合をしてしまった。自分の中でポイントをとるまでの形を確立できていないため、今回の試合内容になってしまった。試合内容は後味が悪いものの、今年最後のこの大会で優勝することができてよかった。今年１年間を振り返ると、国体でつまずいたこと（注目のルーキーに黒星）もばねになった。これから勢いをつけてくる下の代にも負けないように、満足することなく練習していきたい。（来年の目標は）油断せずに勝ちにいき、世界選手権に出場したい」
第一人者の実力見せた赤熊猶弥（自衛隊）
■男子グレコローマンスタイル66kg級・高橋昭五（日体大＝国体などでつまずいたが、全日本の２大会を制覇）「決勝の相手の川瀬選手は10月の岩手国体で負けている相手で、なんとしてもリベンジしてやろうという気持ちだった。（国体のあとの）全日本大学グレコローマン選手権では、学校代表として出場させてもらったにも関わらず負けてしまい、モチベーションは上がらなかったが、家族やコーチ、監督、友人の応援で頑張れた。来年は社会人になる。しっかりと練習して世界選手権に代表に選ばれてメダルを取りたい。恩師の井上（智裕）先生がリオデジャネイロで活躍した。４年後の東京オリンピックでは自分が活躍したい。」
■男子グレコローマン80kg級・前田祐也（鳥取県立武道館＝10月の全国社会人オープン選手権で負けた相手にリベンジして２連覇）「一度負けた相手なので、思うように動けないという面もあったが、結果には満足している。前回は前に出られて体力勝負でばてて負けていたので、追い込む練習をした。全日本の直前にインフルエンザにかかってしまって寝込んでしまい、追い込みができていなかった。ポジティブにとらえて乗り切った。地方でも海や山が近いので、自主トレはできる。地方に帰ったからといって悲観的にならずにいきたい。現在は週３回程度は練習できている。来年４月から鳥取県庁で働くことが決まったが、競技はできる限りやっていきます」
日本重量級を支えられるか、園田新（赤＝拓大）
■女子55㎏級・南條早映（JOCエリートアカデミー／東京・安部学院高＝17歳での全日本チャンピオン）「まだ実感はまだ沸かないけど、うれしい。勝ちたいという強い気持ちを最後まで持ち続けることが勝因だったと思います。相手を意識することなく、自分が勝つためにやらなければいけないことをやり切ろうと思いました。つい最近までは、悔しい思いをしているくせに努力が足りなくて、吉村コーチにずっと怒られていました。この２週間くらいで変わることができた。（同じＪＯＣエリートアカデミー所属で負け知らずの須崎優衣とは）同級生として比べられることも多い。やっぱり須崎選手の方がたくさん練習している。今回の優勝でちょっとは追いつけたかなと思います。来年はしっかりと体を作って58㎏級でも闘えるようにしたい。そして、４年後には東京オリンピックで絶対優勝したい」
■女子60kg級・坂上嘉津季（ALSOK＝けがから復帰して優勝）「優勝して安心しています。監督からは『気持ちで負けるな、前に出ろ』と言われた。最初は取られてしまったが、その後は落ち着いて自分の攻めをすることができた。準決勝は何度も対戦している相手（坂野結衣）で、自分がチャレンジャーという気持ちで臨めたことが勝因だと思います。ALSOKに入って初めて全日本選手権で優勝できました。結果が全てだと思っていたので、1年目の前半はふがいなかった。恩返ししたいという気持ちが強かったので今回優勝できてよかった。海外遠征にたくさんいけるように実力をつけて、結果を残していきたい。
粘って逆転勝ちの伊藤彩香（東新住建）
