※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
喜びの表情はなかった高橋侑希(左=ALSOK)と小平清貴コーチ(警視庁)
高橋は「せっかくチャンスをもらったのに、優勝できなくて悔しさいっぱいです」と無念の第一声。敗れた初戦は「見すぎてしまった。相手を怖がった自分がいて、攻め切ることができなかった」と振り返った。
世界5位となった2014年は年間4回の国際大会をこなすなど、国際経験は積んでいるものの、今大会は昨年の世界選手権(米国)以来、約1年2ヶ月ぶりの国際大会。「(ブランクの影響が)少なからずあったかもしれない。最初はとても緊張した。常に国際経験を積んでいくことが必要だと思った」と話した。
落ち込むことなく敗者復活戦を勝ち上がり、メダルを取ることで「最低限度のことはできたと思う」と言う。敗者復活戦で闘った米国選手はオリンピック出場枠を取った選手(国内予選で敗れて本番は出場できず)。3位決定戦で闘ったイラン選手もロシア選手を破って上がってきた選手で「ともに決して弱い相手ではない。常に自分のペースでできた」と、自分の持ち味を発揮することができて大会を終えたことは収穫だった。
このあとは全日本選手権が待っている。「優勝を意識してしまうと、体が動かなくなる。優勝を目指さないということではなく、自分のレスリング、自分のやるべきこと、を念頭において挑みたい」と話し、昨年5位に終わった雪辱へ挑む。
小平清貴コーチ(警視庁)も「日本の伝統の階級だけに、優勝で東京オリンピックへ向けてのスタートを飾りたかった」と残念そう。銅メダル獲得で「最低限度のことはやった」とは言うものの、無念さは隠せない。
高橋と同じく、国際大会が空いていた影響を否定せず、「加えて初戦がロシアということで、慎重になりすぎ、自分から入れなかった。去年の世界選手権のモンゴル戦(1-2で黒星)と同じパターン。よくないところが出てしまった」と分析した。
ただ、その後の2試合は積極的な試合ができたとのことで、「その感覚を忘れず、次の全日本選手権、そして国際大会に向かってほしい」と話した。