2016.11.18

米国のオリンピック金メダリストに25万ドル(約2725万円)

※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。

 リオデジャネイロ・オリンピックでメダルを取った米国の3選手が11月9日、ニューヨークで、「リビング・ザ・ドリーム・メダル基金」から報奨金を授与された。金メダルのカイル・スナイダー(男子フリースタイル97kg級)とヘレン・マロウリス(女子53kg級)が25万ドル(約2725万円)、銅メダルのジェイデン・コックス(男子フリースタイル86kg級)が2万5000ドル(約272万5000円)。

 コックスは「私は最初、フットボールのスターを目指していたが、この体の大きさでは難しいことが分かり、レスリングでオリンピック出場を目指した。今ではレスリングを愛し、米国の代表となれたことを誇りに思う」とコメント。

 マロウリスは「7歳の時にレスリングを始めましたが、両親からは『このスポーツに将来はないから、やめなさい』と言われました。その1ヶ月後、女子のオリンピック採用が決まりました。13歳からナショナルチームで練習させてもらうことになり、今の私があります。レスリングによって人生が変わりました」と話した。

 プロアマの垣根があった時代は、オリンピックで金メダルを取っても金銭的な見返りはなく、社会主義国のステートアマ(国が支援しているアスリート)はともかく、資本主義国では金メダリストであっても貧困と闘わねばならないのが現実だった。

 時代は変わって金銭の授受の制限がなくなり、米国では前回のロンドン大会から、「リビング・ザ・ドリーム・メダル基金」がオリンピック金メダリストに25万ドルの報奨金を授与することになった。

 同基金では、昨年の世界選手権(ラスベガス)でも、優勝したジョーダン・バローズ(男子フリースタイル74kg級)、カイル・スナイダー(同97kg級)、ヘレン・マロウリス(女子55kg級)、アデライン・グレイ(同75kg級)の4選手にそれぞれ5万ドル(約605万円=当時)の報奨金を授与した。