※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
国民栄誉賞を受賞し、4連覇の「4」とともに笑顔を見せる伊調馨選手(ALSOK)
国民栄誉賞は24例目となり、レスリング界では吉田沙保里選手が2012年に受賞して以来、4年ぶり2人目。オリンピック金メダリストでは柔道の山下泰裕選手、女子マラソンの高橋尚子選手、吉田選手に続いて4人目。
伊調選手は午後4時から都内の京王プラザホテルで会見に臨み、「信じられない気持ちです。これまでに私を支えてくださったALSOKやレスリング協会の皆様に感謝の気持ちでいっぱいです。今後の自分の人生を、これまで以上に、もっと考えていかなければならず身が引き締まる思いです」と喜びを話した。
受賞を最も伝えたい人を問われると、「試合の時に、最後は(天国の)母が助けてくれたので、母に、と言いたいところですが、母は『死んだ人間に感謝するのではなく、生きている人間に感謝しなさい』と言うような気がする。これまで自分を支えてくれた人たちに伝えたい。さっき言った関係者の皆様や、練習でお世話になった警視庁の方々から横断幕をつくっていただいたり、あたたかく迎えていただいた。感謝の気持ちを伝えたい」と話した。
オリンピック直後の自分の試合の採点は「30点」。国民栄誉賞という栄光が加わったことで、あらためての採点を問われると、「自分の中では通過点。まだ、自分のレスリングをいいものをつくっていきたいし、若い世代にも伝えたいので、50点」とのこと。「受賞に満足してない?」との問いに、「そういうわけではないんですが…」と苦笑い。
ALSOKの青山幸恭代表取締役社長(左)、日本協会の福田富昭会長(右)とともに会見に臨んだ伊調
レスリング界からは吉田選手に続く快挙となるが、「同等という気持ちはまったくない。沙保里さんは、これまでの成績以上に見習わなければならない先輩。いつも助けてくれ、気遣っていただいてきた。沙保里さんがいなかったら、今のような気持ちでレスリングに取り組めなかった。感謝しています」と、先輩を気遣った。
副賞にほしいものを問われると、「日本人女性としての誇りである和装文化を伝えていきたいという気持ちが、この年になって出てきました。着物みたいなものがいいな、と思います」と希望した。
会見に同席した日本協会の福田富昭会長は、レスリングの発展について今後の伊調選手へ望むことを問われると、「今でやってくれたことがレスリングの発展につながっている。口には出さなかったが、全身けがだらけなので今は、とにかくゆっくリ休んでほしい」と、激闘をねぎらった。
リオデジャネイロではセコンドにつき、愛知県で教え子の朗報を聞いた栄和人強化本部長は「中学を卒業して一人で愛知に来て、練習のきつさやホームシックで泣いていた頃を思い出すと、信じられないし、感慨深いものがある。吉田選手とともに、2人の教え子が国民栄誉賞を取ったことは光栄なこと。これからの選手の夢と希望になってほしい」とコメントした。
![]() 福田富昭会長から花束を受け取る |
![]() 会見場の後方にはテレビ・カメラがずらりと並んだ |