※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
2012年ロンドン・オリンピックでののヨゲシャワー・ダット(左=インド)とベシク・クドホフ(ロシア)
2012年ロンドン・オリンピックの男子フリースタイル60kg級銀メダルのベシク・クドホフ(ロシア)が、最近のドーピング再検査によって銀メダルをはく奪される可能性が浮上し、インドの多くのメディアは、銅メダルのヨゲシャワー・ダット(インド)が銀メダルに繰り上がる旨を報じているが、同選手はツイッターほかで、「自分は銅メダルのままでいい。クドホフの銀メダルを認めるべきだ」との気持ちを表した。
大きな理由は、クドホフが2013年12月に交通事故で不慮の死を遂げていること。「もし、彼が生きているのなら、違った考えになったかもしれないが、彼はもうこの世にいない。ドーピング検査で陽性であろうがなかろうが、残された家族のためにも、銀メダルを取り上げることはするべきではない」としている。
国際オリンピック委員会(IOC)は、2008年北京オリンピックと2012年ロンドン・オリンピックの検体を最新技術で再検査し、すでに重量挙げなどで多くの選手の順位をはく奪しているが、クドホフ、および2008年北京大会の男子フリースタイル120kg級優勝のアルトゥール・タイマゾフ(ウズベキスタン)に関しては、両者がメダルをはく奪されるという報道があるものの、IOCは発表していない。