2016.09.02

元全日本王者の北村克哉(専大OB)と岡倫之(日大OB)がエキシビションで対戦…新日本プロレス新宿大会

※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。

 今年1月に新日本プロレスに入団したレスリングの元全日本王者、北村克哉(専大OB)と岡倫之(日大OB)が9月1日、新宿FACEでの大会に5分1本勝負のエキシビションマッチで対決。ヘビー級同士のド迫力ファイトで観客を沸かせ、デビュー間近を感じさせた。

 北村は2008~10年にグレコローマン96kg級で全日本王者に輝き、グレコローマンのみならず、2006年にはフリースタイルでも世界選手権に出場した経験を持つ。全日本合宿中にマークした背筋力260kgは、全日本チームのナンバーワン。卓越した体力の持ち主だ。岡は2012年にフリースタイル120kg級で全日本王者となり、2014年の世界選手権に出場。サンボや柔術など10種類の格闘技で王者になった経験を持つオールランド格闘家。

 新日本プロレスにレスリングの全日本王者が入団するのは、レスリング選手として入団した永田克彦(2000年シドニー・オリンピック銀メダリスト)を別とすれば、1996年の藤田和之(日大OB)以来20年ぶり。北村、岡とも体力的にはすぐにでもデビューできるものを持っているが、新日プロはじっくりと基礎を学ばせているもよう。

 観客の前で試合をするのは、2月のアマチュアのレスリング・スタイルのエキシビションマッチに続いて、この日が2度目。今度はプロレス・スタイルで闘い、5分間を引き分けた。

 練習生ということもあって、試合後の報道対応はなし。代わって永田裕志選手(日体大OB)が「ともに潜在能力はすごいものがある。ただ、お客さんの前で試合をするには、まだできていない部分がある」と、”プロ24年生”の目から見た感想。「レスリングの世界ですごい実績を持っていても、プロレスの闘いは別物。場数をふまなければならない。もう少し時間がかかる」と厳しい採点だった。

 ただ、「潜在能力のすごさ」を繰り返し口にし、「それが開花した時は、すごい選手になる」と太鼓判。20年ぶりのレスリング全日本王者の参戦ということで、毎年1月4日に行われている東京ドーム大会でのデビューが期待されるが、「今後次第です」と明言はせず、「(先輩の)試合を数多く見てプロの試合を学んでほしい」と期待した。

 最近は小型化している日本のプロレス界の中で、100kgを越えた同士のド迫力ファイトで観客を魅了する日がやってくるか。

上半身裸で入場、見事にビルドアップされた肉体を披露した北村

ブリッジワークを使った投げ技を披露した岡

逆エビ固めで攻める北村

脇固めで攻める岡