※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
フランスの通信社AFPによると、リオデジャネイロ・オリンピックで女子63kg級のインナ・トラズコワ選手の顔面を2発殴打したとされるロシア協会のミハイル・マミアシビリ会長が8月31日、同選手に謝罪した。同選手は謝罪を受け入れるとした。法的措置を取り下げるかどうかは明らかにされていない。
事件は女子63kg級の3位決定戦のあと、マミアシビリ会長が敗れたトラズコワ選手に暴言を浴びせたうえで顔面を殴打。弁護士などの訴えを受け、暴言については謝罪したが、暴行については否定。これに対し、トラズコワ選手側が法的措置を明言した。
マミアシビリ会長は、「謝罪が必要と感じた。オリンピックのような重要な大会独特の、とてつもないストレスと緊張、チームとして結果を出さねばならないという重圧から生じた」との声明を発表し、自らの非を認めた。
同協会のホームページは「トラズコワが会長の謝罪を受け、事態は収拾した」と報じた。
AFPは、「ロシアのスポーツ界には怒りが広がっている」としながら、同会長が地位のある役人で、政府とのつながりも強いことから、「おとがめなしに終わると考えている人が多い」としている。