※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
20歳にして3度目の世界一に輝いたアブデュルラシド・サデュラエフ(ロシア)
20歳3ヶ月という若さでオリンピック・チャンピオンになるだけの実績は十分だった。昨年は19歳で世界選手権を連覇。今大会を含めて3年連続世界1位だった。2014年の1月から国際大会12大会連続で優勝というのも、異次元すぎる記録だ。
今大会、男子グレコローマン130kg級でミハイン・ロペス(キューバ)が33歳で史上4人目のオリンピック3連覇を達成した。サデュラエフ(ロシア)は20歳から連覇すると、3連覇は28歳。単純計算だと4連覇も期待できるオリンピック・デビューだった。
サデュラエフは全4試合を闘い、失点はわずか1点と完勝だった。オリンピックを制したサデュラエフは「まだ実感はないが、私の子供のころからの夢であったオリンピック・チャンピオンになって、とても幸せです。みんなのサポートに感謝したい」と感激した様子。
あまりの強さに、決勝の相手ヤサーは「自分はよく準備をしてきたけど、相手がとても強すぎた」とお手上げの様子だった。
ロシアのダゲスタン共和国出身で、いまもそこで練習を続けている。母親はレスリングを続けることを反対し、大学進学をすすめたそうだが、サデュラエフはレスリングのプロ選手の道を選択し、今に至る。
今大会、女子では日本の伊調馨(ALSOK)が初めてオリンピック4連覇を達成しているが、男子での4連覇はいない。連覇については「オリンピックの試合は好き。もっといいパフォーマンスをしたい」と話し、白星街道を突き進む覚悟を見せた。
決勝で闘うサデュラエフ(赤)
■2014年1月:ヤリギン国際大会(ロシア)
■2014年2月:ヤシャ・ドク国際大会(トルコ)
■2014年4月:欧州選手権(フィンランド)
■2014年8月:ジオルコウスキ国際大会(ポーランド)
■2014年9月:世界選手権(ウズベキスタン)
■2015年3月:メドベジ国際大会(ベラルーシ)
■2015年6月:欧州大会(アゼルバイジャン)
■2015年9月:世界選手権(米国)
■2015年11月:アルロサカップ(ロシア)=97kg級
■2016年3月:U-23欧州選手権(ブルガリア)
■2016年6月:ジオルコウスキ国際大会(ポーランド)
■2016年8月:オリンピック(ブラジル)