※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
■西口茂樹・男子グレコローマン強化委員長の話「井上の初戦は悔いの残る試合だった。けれども、敗者復活戦は世界王者に堂々と闘って、内容も良かった。10kgを超える減量もあったので、3位決定戦は勝たせてあげたかった。3位決定戦のパッシブは、どっちでもよかったくらいの僅差だった。よく頑張ったと思う。
僕だったら、あの組み合わせをみて(気持ちが)苦しくなる。2014年の世界王者と、昨年の世界王者にはさまれて。組み合わせが決まったら、「ここまで来たんだから、ベスト尽くせ」と言った。
(グレコローマンで銀メダル1と5位入賞だったことについて)6人全員をオリンピックに連れてくるのが約束だったから、(自己評価の)点数は低いです。けれども、太田が銀メダルを獲って、消えかかった火が、松明(たいまつ)となって燃えてくれた。太田のおかげで、この4年間の自己採点は80点にさせてもらいたい」
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■松本慎吾コーチの話「井上はもう一歩及ばなかった。メダルを獲らせたかったし、悔しいです。紙一重の勝負では、最後の勝負で(前に)出た方が勝つ。そこは相手の方が強い気持ちがあったと思う。ファイナルは、チャンピオンクラスでも顔をはらして前に出ているので。
(今回のオリンピックは)限られたメンバーのなかで強化をして臨んで、その結果、2位と5位と言う形で終えた。次の東京に向けて今から強化していかないと間に合わない。気を引き締めて次の世代も含めて強化に入っていきたいと思う。
22歳の太田が今回、銀メダルを取った。本人には『来年の世界選手権で金メダルを獲れ』と伝えた。世界で金メダルをとらないと、東京大会での金もない。オリンピックまでに(世界で)金メダルをとることを目標にしたい」