※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
偉業を達成し、心なしか目が潤んでいたミハイン・ロペス(キューバ)
男子レスリング界では、アレクサンダー・メドベジ(ソ連)、アレクサンダー・カレリン(ロシア)、アルトゥール・タイマゾフ(ウズベキスタン)に続いて史上4人目の快挙。グレコローマンに限れば、霊長類最強と謳われたカレリンに並ぶ2人目の3連覇だ。
決勝戦は、昨年の世界選手権決勝で敗れている相手だったが、試合開始早々、ロペスの豪快ながぶり返しが決まって4点。さらに場外ポイントで1点と、第1ピリオドの前半で5-0と大量リードで折り返す。
第2ピリオドも1点を取った後、カヤルプの警告によりロペスに2点が入り、8-0となってテクニカルフォールとなった瞬間、ロペスは両手を突き上げてガッツポーズ、そして右手で数字の3を示して自らを祝福した。 序盤に爆発したがぶり返し。勝負を決定づけた
ロペスにとって偉大なカレリンの記録に並んだことは感慨深かった。「カレリンの記録と同じ3連覇は、私の栄光です。カレリンは私の誇りです。彼は、世界の誰もが賞賛し、偉大なレスリング選手だった」と話し、ロペスの憧れであり目標だった。
大記録に関しては、「ラテンアメリカで3連覇を達成した最初のレスラーだということに、一層の誇りを感じます」と続けた。
ロペスは、今大会で女子史上初のオリンピック4連覇を狙う日本の吉田沙保里(フリー)と同じ33歳。気になるのは、偉大なるカレリンの記録を超える4連覇にチャレンジするのかどうかだ。しかし、さすがのロペスも「オリンピックは、これが最後」と、今回が集大成だったことをほのめかした。
ただし、最後の試合とは明言せず、今後の選手活動については明確にしなかった。
《Lopez Nunez, Mijain(キューバ)》 1982年8月20日生まれ、33歳。レスリング歴23年。