2016.08.16

【リオデジャネイロ特集】ドーピング騒動をはね返し、ロマン・ブラソフ(ロシア)がオリンピック連覇

※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。

■ロマン・ブラソフ(ロシア)の成績
決  勝 ○[5-1]●Mark Overgaard Madsen」(デンマーク)
準決勝 ○[6-3]●Bozo Starcevic(クロアチア)
3回戦  ○[Tフォール、8-0]●Bin Yang(中国)
2回戦  ○[7-5]●Kim Hyeonwoo(韓国)
1回戦  BYE

 【リオデジャネイロ(ブラジル)/文=樋口郁夫、撮影=保高幸子】出場が直前まで危ぶまれたロシアから、男子グレコローマン75kg級で昨年の世界王者ロマン・ブラソフが優勝。前回のロンドン大会74kg級に続いてオリンピック2連覇を達成した。

 1回戦でロンドン大会66kg級王者で、2013年世界選手権決勝で敗れた金炫雨(キム・ヒョウ=韓国)を微妙な判定の末に破って波に乗り、決勝は昨年の世界選手権決勝の相手、マーク・オバーガード・マドセン(デンマーク)を5-1で破った。2011年にも世界選手権で勝っているので、通算4度目の世界一。

 ブラソフは「初日はとても重要な日。残る6日間の選手もこの会場に来て、私を応援してくれている。この優勝は、彼・彼女らに大きな自信を与えたことと思う」と、ロシアの先陣を優勝でスタートできたことが満足そう。

 今回のオリンピックの前半で、ロシアは不調。金メダルの数では米国に大きく差をつけられ、英国、中国の後塵を拝して4位に甘んじている。「ロシア伝統のレスリングで金メダルを量産し、ロシアのスポーツ界を活気づけようとだれもが思っている」とも話し、ドーピング問題で揺れたロシア・スポーツ界のためにも、レスリングが頑張ることを誓った。

 「私たちは(ドーピング問題にからむ)アンフェアな決定によって、逆に力づけられた」と、ドーピング問題が発奮材料になったという。

《Vlasov, Roman(ロシア)》 1990年10月6日生まれ、25歳。レスリング歴16年。アレクサンダー・カレリンの教え子。

決勝で闘うロマン・ブラソフ(ロシア)

表彰式。左から2位=マドセン、優勝=ブラソフ、3位=金炫雨、サエイード・アブドバリ(イラン)