2016.08.11

女子のオリンピック代表チームがリオデジャネイロに向けて出発

※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。

(文・撮影=保高幸子)

 リオデジャネイロ・オリンピックの女子代表チームが8月10日、成田空港発の日本航空で決戦の地へ向けて出発した。48kg級の登坂絵莉(東新住建)と53kg級の吉田沙保里(フリー)、そして栄和人強化本部長は午前発、58kg級の伊調馨(ALSOK)、63kg級の川井梨紗子(至学館大)、69kg級の土性沙羅(至学館大)、75kg級の渡利璃穏(アイシン・エィ・ダブリュ)は夕方発で、いずれも米国・ニューヨーク経由。

 金メダルが期待される種目だけに、成田空港には多くの報道陣が集まった。登坂と吉田は「今回特別なことをしたか?」と聞かれ、2人とも普段はしないという足の爪に金色のペディキュアを塗り、金獲りに「思いを込めている」と話した。

 栄本部長は「調子は上がってきています。全員金メダルを取れる。オリンピックを目指して努力し、それでもかなわずリオへ行けなかった全競技の選手の分まで頑張らなければと思います」と語った。

 吉田と登坂の出発時には大勢の空港利用客も集まり、期待を込めた拍手で見送られて搭乗ゲートへと向かった。


 ■48kg級・登坂絵莉「早く試合がしたいです。ずっと憧れだった舞台で、楽しみです。ここまで世界3連覇しているので、何が何でもオリンピックの金メダルも取りたいです。開幕したオリンピックで他競技を見ていて、世界チャンピオンが負けたりするのを見て不安になって、沙保里さんに相談したりもしましたが、気持ちがマイナスになりそうになると沙保里さんが引き戻してくださいます。闘志むき出しで金メダルを狙っていきたいと思います」

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 ■53kg級・吉田沙保里「オリンピックが開幕して、皆さん活躍されているのを日本でテレビを見ながら、私もいよいよだ、と気持ちを高めて調整できました。今年はまだ一度も試合していませんが、うまく調整できています。4度目のオリンピックは後輩たちがいて心強いです。4連覇を達成することを望んでくださる方々の声は届いています。今まで通りの自分のレスリングをして闘えば、大丈夫だと思います。体操団体の金メダルは、失敗してもそこから逆転で優勝という姿を見て、最後まで諦めない強い精神力を見せていただき、すごいなと思いました。日本の金メダル目標の14個に近づけられるよう気合を入れて頑張ります」

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 ■58kg級・伊調馨「オリンピックが始まって、私も妙な気持ちの高ぶりを感じていますが、平常心を保つんだと自分に言い聞かせています。他競技を観戦して、強い人や世界ランクで上の方が勝つというわけでないのだなと、思いました。皆さんから金メダルを期待していただいているので、全員がライバルだと思って、万全の状態に整えて、気を抜かずに金メダルを目指して頑張りたいと思います」

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 ■63kg級・川井梨紗子「いよいよだな、と思います。レスリングを始めてからずっと目指してきたオリンピック。出るだけでは終わりたくない。ワクワクと緊張半々ですが、必ず優勝したいと思います」

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 ■69kg級・土性沙羅「たくさんの人にお守りをもらいました。私は緊張するタイプですが、ずっと憧れた舞台です。思い切ったレスリングで頑張ります。絶対に金メダルを持ち帰りたいと思います」

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 ■75kg級・渡利璃穏「あっという間に出発になりました。夢の舞台に、目指していた吉田さんと伊調さんと一緒に出られて光栄です。ずっと『璃穏がリオで金』と言われてきたので、それを実現したいです。水泳の800mリレーに感動しました。レスリングは個人競技ですが、団体競技と同じように、皆さんにもらった応援を力に、全員で金メダルを目指します」