2016.08.09

男子グレコローマンのオリンピック代表チームがリオデジャネイロへ向けて出発

※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。

(文・撮影=保高幸子)

 オリンピックの男子グレコローマンの代表2選手が8月8日、成田空港発の日本航空便でリオデジャネイロに向けて出発した。

 現地入りし、その日の午後からサポート施設のハイパフォーマンスサポートセンター(HPSC)で調整する。翌日からは時差の調整のため午前に練習したいという希望があり、すでに始まっている柔道代表が使っている場所の一部を借りて調整させてもらう手はずはできている。金メダルへの準備は整った。

 グレコローマン・チームは、6月のポーランド遠征のあと、この日までほぼ合宿を組んでおり、直前まで追い込みが続いた。男子グレコローマンの西口茂樹強化委員長(拓大教)は「試合は3分2ピリオドだが、その倍の試合時間でもスタミナが続くような苦しい練習をこなしてきた。必ずメダルを取れると思う」と自信を見せた。

■太田忍(ALSOK)、井上智裕(三恵海運)とも余裕をもって減量開始

 59kg級の太田忍(ALSOK)はグラウンドのディフェンスを強化した。これまで、試合でもそういった展開を迎えることがなく、あまり意識して練習することがなかった部分だという。

 「オリンピックでは必ず必要になる部分だと思い、しっかりやってきました。この厳しい合宿で、また松本隆太郎コーチや長谷川先輩(恒平=ともにロンドン代表)も参加してくださって、スタンドもグラウンドも自信がつきました」と話し、「こうすればよかった、ああすればよかった、という後悔をしないよう、気持ちいいー!!という試合をしたいと思います」と続けた。

 減量に関しては、いつもより早く食事の節制を始めた。脂質が多い料理を避けるなどして、すでに5kg減らして63kg。「あと4kgなので、いつもより楽に減量が進みます。味の素トレーニングセンターでの合宿では食事制限がやりやすいのはもちろんですが、日体大での合宿でも、ハイパフォーマンス事業の栄養士さんのおかげで食事面で助かっています」と好調をアピール。

 減量が厳しい66kg級代表の井上智裕(三恵海運)も同様で、「1ヶ月半前から始めて、量を減らすのではなく内容を大切にして5kg減らして今は71kg。体脂肪率4パーセントです。いい感じですよ!」と笑顔。

 井上は腰を負傷をしたこともあり、追い込めない期間もあったが、「その分、技術を突き詰められたと思う。できるだけ失点をしないように、スタンドの構えという基本を変えた。まだ2週間ですけど、うまくいくと思います」。

 相手や疲労具合に合わせて構えを変えていたが、豊田雅俊コーチ(警視庁)の指摘があり、より得意な右構えで闘い続けるよう練習してきたという。「100パーセントの力を出して試合に臨めば、結果はついてきます」。

 2人とも「金メダルを取ってきます」と、元気に出発。トップバッターの活躍が期待される。太田は8月14日、井上は16日に出場する。

太田(左)は14日、井上は16日にリオデジャネイロのマットに上がる

現地で合宿するターゲット・チームも同じフライトでリオデジャネイロへ