※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
(文・撮影=増渕由気子) 優勝した清岡幸大郎、櫻井つぐみ、櫻井はなのの3選手
櫻井監督は「すべてが初めての体験。3連覇が出るのも、3選手が勝つのも初めて。出来すぎです」と喜びの声。昨年は姉・つぐみが2連覇し、妹・はなのが2位と、姉妹で決勝に上がったことが話題となったが、それ以上の結果となった。
櫻井姉妹は試合前から優勝の呼び声が高く、予想通りの結果とも言えるが、ノーマークから勝ち上がったのが、男子47kg級の清岡幸大郎(高知・高知南3年)だ。最も多い93選手がエントリーした最激戦区で、優勝まで最大で7試合を勝ち抜かねばならないハードなトーナメントを制した(清岡は初戦シードのため6試合)。 93選手出場のトーナメントを勝ち上がった清岡幸大郎
第2ピリオドに入ると、やられたらやり返すとばかりにアンクルホールドの連続で反撃。終盤に逆転して15-12で勝って93人の頂点に立った。
■入賞経験なしから一気に優勝!
清岡は「これまで中学生の大会では入賞すらなかった。初めて優勝できて素直にうれしいです。コーチとよく練習をし、自分より重たい選手と練習を積んで、自信を持って試合に臨めた」と笑顔で話し、櫻井監督は「男子の全中王者誕生は初めて。女子に刺激されてよく頑張ってくれた」と清岡を称えた。 中学レスリングの勢力図を変えそうな高知クラブ。後列左ら櫻井優史代表
さらに「四国の選手がたくさん勝っていて、流れがありました」と、清岡より先に試合をして優勝を決めた85kg級の田中勝大(香川・多度津3年)や66kg級の竹下航生(香川・高松北3年)といった交流が盛んなチームの選手の優勝に感化されたこようだ。
同じ高知県だけでも、女子52kg級の徳原姫花(高知・一宮3)を含めて4人が優勝。四国の枠で見ると、田中と竹下を合わせて6人が優勝。これまでの全国中学生選手権の勢力図を塗り替えた四国勢の躍進だった。