※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
(文・撮影=保高幸子) 銀メダル獲得の吉村拓海(左=早大)と二ノ宮寛斗(明大)
優勝選手こそいなかったものの、「銀2・銅3」を獲得し、前年の「銀2・銅2」を上回ったが、小幡邦彦監督(山梨学院大コーチ)は「欲を言えば、吉村(拓海=早大)も乙黒(圭祐=山梨学院大)も優勝の実力があった。外国選手も強く、勝負の世界は甘くなかった」と満足はしていない表情。
しかし、成果が大きかったことも確か。「全階級で(他国選手に)引けはとっていなかった。受けに回った試合ではやられてしまうが、物おじせずに自分から仕掛けてポイントを取っていった試合で勝っているというのは、選手達も実感したのではないか」と言う。
国内での闘いと違い、国際大会ならではの“ルールのあるケンカ”のような感じもあったとのことだが、「ラフな選手相手にも気持ちで負けずに勝てたことは、これから世界で闘っていく彼らにとって、いい経験になったことは間違いない」と話す。
メンタルの強さも持ち合わせている選手たちの、さらなる活躍が期待できる結果と内容の遠征だったようだ。
メダル獲得の60kg級・吉村、66kg級・乙黒圭祐(山梨学院大)、74kg級・伊藤駿(早大)、96kg級・二ノ宮、120kg級・山本泰丈(日大)
今後はそのタイプの選手にどう向かっていくかを練習していきたいです。国際大会は3回目ですが、今回、初めてラフプレーする選手にあたり(準決勝のイラン)、指を強く曲げられたりしましたが、ボクもやりかえし、気持ちで負けないでできたのは良かったです」
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■96kg級2位・二ノ宮寛斗(明大)「国際大会は4回目で、そろそろ結果を出したいと思っていました。少しでも(闘った)爪あとを残そうと思っていたところ、組み合わせがよかったのでチャンスだと思って頑張りました。世界カデット選手権でイランの選手と闘った時はどっこいどっこいだったのですが、今回の決勝で当たったイラン選手とはかなり差がありました。
もしボクが反対のブロックだったら決勝に上がれていないと思っています。メダルはうれしいよりも、悔しいというか、自分の実力に見合っていないと思います。(慣例的に、世界ジュニア選手権はJOC杯1位、アジア・ジュニア選手権は2位の選手が派遣されるので)来年はJOC杯で優勝して、世界ジュニア選手権に出て優勝するレベルを目指しています」