※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
リオデジャネイロ・オリンピックへ向け、残り2回の予選にかける男子チーム。世界4地区で行われる第2次予選は、パンアメリカンとアジアが終了し、世界予選第1戦(4月22~24日、モンゴル・ウランバートル)に出場するおおまかな出場国が読めてきた。
欧州予選(4月15~17日)でどの国が抜けるかによって顔ぶれが変わってくるが、日本が挑む男子8階級(フリースタイル4階級、グレコローマン4階級)の現段階での情勢をさぐった。
◎男子グレコローマン
【75kg級】
主要大会成績と出場枠獲得状況(青が出場枠獲得国)
パンアメリカンからは、米国、キューバ、コロンビアが出場枠を獲得しており、強豪は出そろった感じだが、2014年世界選手権で8位に入ったフアン・アンヘル・エスコバル(メキシコ)が要注意か。
アジアからは、2015年アジア選手権2位で、アジア予選3位のアタベク・アジスベコフ(キルギス)が手ごわい存在。
欧州では、2014年世界王者のアルセン・ジュルファラキャン(アルメニア)や、同5位のズラビ・ダツナシビリ(ジョージア)が残っている。両者が欧州予選で抜けてくれれば、かなり楽な展開になりそう。
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【85kg級】
主要大会成績と出場枠獲得状況(青が出場枠獲得国)
パンアメリカンからは、キューバが未獲得。2月のパンアメリカン選手権優勝のアラン・アーネスト・ベラ・ガルシアら候補が3選手ほどいるが、だれが出てきても注意選手。
アジアからはカザフスタンが残っている。2014年アジア選手権優勝で2015年アジア選手権2位のヌルスルタン・ツルシノフ、アジア予選3位のアザマト・クスツバエフのどちらが出てきても、出場枠を取れる実力はありそう。2014年アジア大会2位のリー・セイェオル(韓国)もあなどれまい。
欧州からは2014年世界選手権を制したフランス、2015年欧州大会を制したロシアが、ともに未獲得。この2ヶ国が抜けてくれれば、2015年欧州大会3位で世界選手権9位のラムシン・アジズサー(ドイツ)が最大の敵となろう。
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【98kg級】
主要大会成績と出場枠獲得状況(青が出場枠獲得国)
パンアメリカンは“独り勝ち”状態だったキューバとペルーが出場枠を獲得済み。米国、コロンビアなど残る国はやや落ちる。
アジアからは、2015年アジア選手権3位のマルグラン・アッセンベコフ(カザフスタン)が抜けており、あとは横一線状態。国籍を変えた元世界王者のイブラヒム・アブデルファタ・モハメド(バーレーン)はどうか。
欧州からは、2014年世界選手権2位のオリバー・ハスラー(ドイツ)、同3位のセンク・イルデム(トルコ)が未獲得。欧州予選で抜けてくれるか。
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【130kg級】
主要大会成績と出場枠獲得状況(青が出場枠獲得国)
パンアメリカンからは米国、キューバのほかブラジル、ベネズエラが抜けており、強豪は出そろった。
アジアからはイランが残っている。あとはアジア予選3位のムミンヨン・アブデュラエフ(ウズベキスタン)、2015年アジア選手権2位のメン・チアン(中国)らが要注意選手。
欧州からは2013年世界選手権120kg級優勝のハイキ・ナビ(エストニア)、2012年ロンドン・オリンピック120kg級3位で、2014・16年欧州選手権3位のヨハン・マグナス・エウレン(スウェーデン)が欧州予選で抜けてくれるか。