2016.03.27

日本が挑む階級のオリンピック出場枠獲得状況と展望(下)/男子グレコローマン

※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。

 リオデジャネイロ・オリンピックへ向け、残り2回の予選にかける男子チーム。世界4地区で行われる第2次予選は、パンアメリカンとアジアが終了し、世界予選第1戦(4月22~24日、モンゴル・ウランバートル)に出場するおおまかな出場国が読めてきた。

 欧州予選(4月15~17日)でどの国が抜けるかによって顔ぶれが変わってくるが、日本が挑む男子8階級(フリースタイル4階級、グレコローマン4階級)の現段階での情勢をさぐった。


 ◎男子グレコローマン

 【75kg級】

主要大会成績と出場枠獲得状況(青が出場枠獲得国)

 パンアメリカンからは、米国、キューバ、コロンビアが出場枠を獲得しており、強豪は出そろった感じだが、2014年世界選手権で8位に入ったフアン・アンヘル・エスコバル(メキシコ)が要注意か。

 アジアからは、2015年アジア選手権2位で、アジア予選3位のアタベク・アジスベコフ(キルギス)が手ごわい存在。

 欧州では、2014年世界王者のアルセン・ジュルファラキャン(アルメニア)や、同5位のズラビ・ダツナシビリ(ジョージア)が残っている。両者が欧州予選で抜けてくれれば、かなり楽な展開になりそう。

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 【85kg級】

主要大会成績と出場枠獲得状況(青が出場枠獲得国)

 パンアメリカンからは、キューバが未獲得。2月のパンアメリカン選手権優勝のアラン・アーネスト・ベラ・ガルシアら候補が3選手ほどいるが、だれが出てきても注意選手。

 アジアからはカザフスタンが残っている。2014年アジア選手権優勝で2015年アジア選手権2位のヌルスルタン・ツルシノフ、アジア予選3位のアザマト・クスツバエフのどちらが出てきても、出場枠を取れる実力はありそう。2014年アジア大会2位のリー・セイェオル(韓国)もあなどれまい。

 欧州からは2014年世界選手権を制したフランス、2015年欧州大会を制したロシアが、ともに未獲得。この2ヶ国が抜けてくれれば、2015年欧州大会3位で世界選手権9位のラムシン・アジズサー(ドイツ)が最大の敵となろう。

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 【98kg級】

主要大会成績と出場枠獲得状況(青が出場枠獲得国)

 パンアメリカンは“独り勝ち”状態だったキューバとペルーが出場枠を獲得済み。米国、コロンビアなど残る国はやや落ちる。

 アジアからは、2015年アジア選手権3位のマルグラン・アッセンベコフ(カザフスタン)が抜けており、あとは横一線状態。国籍を変えた元世界王者のイブラヒム・アブデルファタ・モハメド(バーレーン)はどうか。

 欧州からは、2014年世界選手権2位のオリバー・ハスラー(ドイツ)、同3位のセンク・イルデム(トルコ)が未獲得。欧州予選で抜けてくれるか。

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 【130kg級】

主要大会成績と出場枠獲得状況(青が出場枠獲得国)

 パンアメリカンからは米国、キューバのほかブラジル、ベネズエラが抜けており、強豪は出そろった。

 アジアからはイランが残っている。あとはアジア予選3位のムミンヨン・アブデュラエフ(ウズベキスタン)、2015年アジア選手権2位のメン・チアン(中国)らが要注意選手。

 欧州からは2013年世界選手権120kg級優勝のハイキ・ナビ(エストニア)、2012年ロンドン・オリンピック120kg級3位で、2014・16年欧州選手権3位のヨハン・マグナス・エウレン(スウェーデン)が欧州予選で抜けてくれるか。