2016.03.26

日本が挑む階級のオリンピック出場枠獲得状況と展望(上)/男子フリースタイル

※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。

 リオデジャネイロ・オリンピックへ向け、残り2回の予選にかける男子チーム。世界4地区で行われる第2次予選は、パンアメリカンとアジアが終了し、世界予選第1戦(4月22~24日、モンゴル・ウランバートル)に出場するおおまかな出場国が読めてきた。

 欧州予選(4月15~17日)でどの国が抜けるかによって顔ぶれが変わってくるが、日本が挑む男子8階級(フリースタイル4階級、グレコローマン4階級)の現段階での情勢をさぐった。


 ◎男子フリースタイル

 【65kg級】

 パンアメリカンから、2015年パンアメリカン大会王者のブレント・メトカーフ(米国)のほか、2012年ロンドン・オリンピック66kg級7位、米満達弘とも闘ったハイスラン・ガルシア・ベラネス(カナダ)が残った。

 アジアからは元ロシア世界選手権代表のアダム・バティロフ(バーレーン)、昨年の世界選手権11位のキム・ユソン(北朝鮮)が手ごわそう。

 欧州は現段階で、2014年世界選手権5位で今月の欧州選手権2位のムスタファ・カヤ(トルコ)、ロシアから国籍を変えた昨年の世界選手権7位、3月の欧州選手権70kg級優勝のマゴメドムラド・ガジエフ(ポーランド)らが残っている。欧州予選で抜けることができるか。

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 【86kg級】

 昨年の世界選手権1~5位選手のみならず、2014年世界選手権1~5位選手も出場枠を獲得。トップ級の国が順調に抜けてくれている。

 キューバの独走が続いていたパンアメリカンからは、2012年ロンドン・オリンピック84kg級7位のジェイコブ・ハーバート(米国)が要注意。

 アジアからは、2014年アジア大会3位のウミジョン・イスマノフ(ウズベキスタン)キム・クォンウク(韓国)の2選手が残っている。アジア予選には出てこなかったが、2014年世界選手権7位のナレシュ・クマール(インド)が出てくるか。

 欧州からは、2013年世界選手権84kg級優勝のイブラギム・アルダトフ(ウクライナ)には欧州予選で抜けてほしいところ。昨年の世界選手権は7位で、3月の欧州大会は3位と実力は十分。

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 【97kg級】

 2013~15年の3度の世界選手権(13年は96kg級)の1~5位選手の国がすべて出場枠を獲得。86kg級以上に世界の強豪が順調に抜けている。

 パンアメリカンからは米国、キューバ、ベネズエラが抜けており、注意選手は2015年パンアメリカアン大会2位で予選3位のアージュン・ギル(カナダ)くらい。

 アジアからは、2014年にアジア選手権優勝・世界選手権7位・アジア大会3位の実勢を持つクデルブルガ・ドルジカンド(モンゴル)が、アジア予選3位に終わって残っている。

 欧州で残っている選手には、ずば抜けた選手はいない。

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 【125kg級】

 米国とカナダが抜けたパンアメリカン。キューバにさほど強い選手はおらず、2月のパンアメリカン選手権と3月の同予選でともに3位のヘッセ・ルイス・フローレス(メキシコ)の方が手ごわいか。

 アジアからは、予選3位に終わった2015年アジア選手権優勝のアイアール・ラザレフ(キルギス)デン・チウェイ(中国)が再度、出場枠を狙って出場するか。

 欧州は、ウクライナが残っていて、候補2選手がいる。昨年の欧州大会2位のアレクセイ・シェマロフ(ベラルーシ)も欧州予選で抜けてほしい選手だ。