※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
オリンピック出場枠を取った4選手。左から高谷惣亮、樋口黎、井上智裕、太田忍
昨年の世界選手権(米国)では、オリンピック前年にも関わらず、「メダルなし」「出場枠0」という大ピンチに陥った全日本男子だったが、今大会では、フリースタイル57kg級の樋口黎(日体大)と2014年世界選手権74kg級2位の実績を持つ高谷惣亮(ALSOK)、グレコローマン59kg級の太田忍(日体大)、66kg級の井上智裕(三恵海運)と各スタイル2人ずつ、計4人がオリンピックの出場枠を獲得した。
4人は全日本選手権の優勝者のため、日本協会の定めた規定によってオリンピックの日本代表に内定している。(文・撮影=池田安祐美)
■男子グレコローマン59kg級・太田忍(日体大)「大金星と言われていますけど、実力を出し切れば勝てると思っていた。やってきたことが出せた。練習したことは、よくも悪くも出ると思っていたので、いいところが出たと思う。あらためて世界のトップにいることを確認できたので、自信をもって本戦で闘えると思う。本番では金メダルしかないです。今大会は失点が多く、追いかける展開が多かった。決勝の中国戦では大量失点してしまった。そこを詰めれば世界のトップで闘えると思っている」
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■男子グレコローマン66kg級・井上智裕(三恵海運)「飛行機で新聞を見たら、たくさん取り上げてもらっていて、こうやって取材を受けて、自分がオリンピックに行けるんだな、と実感が沸いてきた。オリンピックが夢でここまでやってきて、その夢も果たせる。決勝では、2年前に世界2位になった選手に勝てた。でも、内容は押されていたので、本番では今回と同じようにはいかない。技術と体力をつけて臨みたい。最後の試合でグラウンドが返ってしまったので、返らないように強化したい。この階級では体力がない方なので、改善していきたい」
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■男子フリースタイル57kg級・樋口黎(日体大)「コンディションさえしっかり整えば、世界で十分に闘える自信がある。僕は20歳と若いので、8月に向けてこの実力をもう一段、二段と上げていけば、金メダルも取れると思う。頑張っていきたいです。強化委員長が1日早く現地に入る日程を配慮していただいたおかげで、少し楽に落とせた。その分、絶対に枠を取らないと、と思った。オリンピックでメダルを獲る自信はあるので、あとはそれが金にできるかどうかです」
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■男子フリースタイル74kg級・高谷惣亮(ALSOK)「絶対勝てる、というのはなかったので、どこまでできるかな、と思っていた。ひざの調子も悪い中、自分の形で勝つことができた。みんなが応援してくれたことがうれしくて、勝った瞬間は天を仰いでしまいました。アジア大会チャンピオンを倒してオリンピック出場枠を獲得したといいのが、非常に意味のある闘いになったと思う。ひざは痛くないので、不安定感がなくなれば100パーセントに戻ると思う。地元の京都・網野に帰るなど、しばらく休んでからまたオリンピックに向けて頑張りたい」