2016.03.20

【アジア予選/第2日・特集】男子コーチとの積極的な練習が実る! 渡利璃穏が女子75kg級で出場枠を獲得

※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。

 【カザフスタン・アスタナ、池田安佑美】“リオ”が“リオ”に大きく前進! オリンピックのアジア予選女子75kg級は渡利璃穏(アイシン・エィ・ダブリュ)が準決勝で昨年のアジア選手権2位のドンチメグ・バドラク(モンゴル)を5-2で破り、決勝は2014年アジア大会2位のグゼル・マニュロバ(カザフスタン)と対戦し、2-1で勝利。75kg級の国際大会で初出場初優勝を果たした。

 渡利が決勝に進出したことで、日本女子で唯一取れてなかった75kg級の出場枠も獲得し、2004年アテネ・オリンピックから4大会連続で全階級での出場がかなった。

 枠を獲得した渡利にとって、この半年間は未知の世界だった、63kg級から2階級アップを決意し、体重は72kgあたりまで増やして維持する日々。「大きな決断で、このように優勝できるなんて想像もしていなかった。今大会に勝てたことで、世界で闘っていく自信になりました」と、75kg級で活躍するオリンピックに自分の姿を重ねた。

 渡利は半年前まで63kg級の選手。2014年のアジア大会(韓国・仁川)では同階級で優勝し、リオデジャネイロ・オリンピックの最右翼だった。しかし、昨年6月の全日本選抜選手権で優勝できず、一度はリオ・オリンピックを諦めた。

 階級アップ後、自分よりも体が一回り以上大きい選手たちに勝つために、練習では志土地翔大コーチなど男子コーチたちと練習を積んだ。「コーチ陣に相手をしていただいていたので、相手の重さを感じることはなかった。75kg級の選手はつかまえる力が強いので、それを切る練習や、相手につかまえられないでタックルに入る練習をたくさんしきました。それが少しでも出すことができて、本当によかった」と、短期間で75kg級の闘い方を確立し、実戦でも実力を出し切ることができた。

 決勝は地元・カザフスタンのマニュロバと対戦。会場の声援はマニュロバに向けられていたが、そんなアウエーの状況でも、ここぞとばかりにタックルを繰り出して逆転勝利した。

 63kg級での挫折を乗り越え、2階級上で夢のオリンピック出場に大きく前進した渡利は「ここまで来られたのは奇跡。次はオリンピックでもう一度奇跡を起こせるようにしたい」と、代表入りをアピールしていた。